そう言ってあてがわれたソファーに私は腰掛ける。
机を挟んで対面にらだお、左右には皇帝と成瀬がそれぞれ座る。
私以外の3人は警察官であるためさながら尋問のような絵面である。
そう言って続く言葉を遮る。
随分と呼びづらそうではあるが、こればかりは慣れてもらうしかあるまい。
そういえば、展開が怒涛すぎて名乗っている暇がなかったな。
特に、皇帝には既に名乗ってもらっている分、多少の申し訳なさを感じる。
成瀬は分かるがカニ?
いや、しばらく過ごして分かった。
この街はそういうところだ。
やはりそれか。
まぁ、この2人からしたら知らないやつがいきなり同僚の元師匠を名乗っているわけだからな。
ここで明らかにしておくべきだろう。
2人の声がシンクロする。
そんなに驚くことだろうか?
なぜ煽る?
息を吐きながら席を立つらだお。
青色の刀を背中から抜き、ゆっくりとした足取りで成瀬の方へと歩みを進める。
お前年齢の話地雷すぎるだろ。
言うとらだおは、一瞬迷ったように動きを止めるが、持っていた刀を背中に納めると、再び席へと腰掛けた。
思わず呆れた声でそう聞いてしまう。
事実では?
野蛮すぎるだろ。
大丈夫かこの街の警察。
今コイツ師匠っていいかけたな。
今にも掴みかかりそうな剣幕で声を荒げる成瀬。
どうでもいいが、お前この中で一番後輩だよな?
なるほど。
そういうことか。
らだおの記憶力を少々見誤っていたようだ。
まさか12年前のことを鮮明に覚えていようとは。
そう当たり障りのない言葉で返しておく。
まぁ、嘘はついてないし大丈夫だろう。
今思えば確かにそうだな。
まさか入国して1時間で死ぬ、もといダウンする可能性があったとは。
俗に言う「死にゲー」のほうがまだ優しいだろ。
随分と痛いところを突いてくるな。
今までの環境と比べたら万倍マシだと分かってたから、少しばかり楽観的だったかもしれんな。
らだおが遠慮がちに声を上げる。
なぜだろう。
控えめな様子ではあるがそこには勇気や決意のようなものが感じられる。
不思議に思い続く言葉を待っていると、ゆっくりとらだおの口から━━━━━
そんな言葉が発せられた。
追加情報
年齢 不明→32歳以上
入国理由 不明→休暇
警察官「青井らだお」の12年前の師匠
ロスサントスには1年以上滞在予定











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。