第22話

海【じんたん】
1,047
2018/01/30 11:05
死ぬんだったら誰にも迷惑かけないように死にたいな…………………










だったら海に溺れて死んで、




無人島までたどり着くか



サメにでも食べられればいいかな。






それだったらいいのに…………










俺は海に向かった。



綺麗な夕日だった。







俺が死ぬ時にはもったいないようなほど。






眩しかった。


寺島くんの笑顔みたいだ。







ううん、もう寺島くんは忘れよう。





死ぬ時くらい、忘れてしまおう。





親友?
あ、もしかしてじんー?奇遇だね〜
じんたん
あ…………
またあいつらだ。
友達3
なにしてんのー?
友達1
自殺ですかー?w
じんたん
はい、そーです
友達2
………は?マジ?
親友?
え、じゃあさ、俺たち自殺見れるんだw
友達1
へー、いいね
友達3
あ、でもさ、せんせーとかにバレたらヤバくね?
俺怒られるんのやだー
じんたん
大丈夫です。あなたたちのことも言ってないし、
俺がさっき書いた遺書にも書いてありませんし
親友?
へー、やるじゃん
てかさ、どーせ死ぬんでしょ?
ならさ、俺たちに最後いじめさせてよ
友達1
あ、いーね、ストレス溜まってるし
じんたん
………え、でも
友達2
は?いいじゃん
やだ。




最期にそんな気分で死ぬのはいやだ。






でも、逆らえないし


助けも来ない。






俺は耐えるしかないんだ。
親友?
まずは1発目
ごっっ
じんたん
う"っっ!
顔を殴られた。



今度も鼻血が出た。
友達3
うわ、またかよw
だーかーら、きたねーんだよっ!
ぐいっ
じんたん
うわっ
髪を引っ張られて砂浜に体を打ち付けた。




地味に痛い。
友達1
ここら辺、人いないし、じんく〜ん、よかったね?
ごきっ
じんたん
あ"あ"あ"!!
腕を思いっきり踏まれた。



音を聞く限り、




骨折っぽい。
友達1
はははw
親友?
じんくん、今の叫び声よかったよ〜w
じんたん
……………う"っ、ぐは、げほげほ……
口から血が出てきた。



自分でもびっくりした。







痛い。


やめてよ。



助けて。









てらじ…………



ダメだって、







来るはずないって、






夢見んなって、










ホントバカかよ。






テオくん
おい!なにやってんだよ!!!
親友?
あ?
大好きな声が聞こえた。





優しくて、

強くて、

大好きな声。
テオくん
お前ら!じんたんになにやってんだよ!
ふざけんな!!
友達2
お前には関係ねーだろ
テオくん
関係あるわ、ボケっ!!
ごっ
親友?
う"っ
寺島くんがあいつらを殴ってた。




初めて見た。





いつものおちゃらけた笑顔はどこにもなくて、




真剣な顔だった。






正直、怖かった。





親友?
くそっ、帰るぞ!
あいつらは帰った。
テオくん
…………はぁ、はぁ
じんたん
て、てらじまく………
テオくん
じんたん………
ぎゅ
じんたん
………え?
寺島くんは俺を抱きしめた。
じんたん
て、寺島、くん…………?
テオくん
じんたんごめん、俺遅れちゃった
痛かったよな、怖かったよな………
ホントにごめん……………
じんたん
テ、テオくん……
俺はいつの間にかテオくんに戻っていた。
テオくん
じんたん、泣いていいよ……
じんたん
あ………
俺は我慢していたのに、涙がこぼれて、



ついには泣き出してしまった。
じんたん
う、うぇぇえん………ヒック
テ、テオ、くん……おれ、さ
テオくん
………うん
テオくんは優しく頷いてくれた。
じんたん
死のうと、して、て……
でも、あいつらがっ、来て…俺、怖くてっ………
そしたらテオくんが、き、て……
テオくん
うん、怖かったよな………
ホントごめんな……
じんたん
ううん、テオくんは悪くないよ
だんだん落ち着いてきて、


ちゃんと喋れるようになった。
テオくん
あ、じんたんタメじゃん!
やっと俺に気許した?
じんたん
あ、う、うそ………
あ、ホントだ
俺は無意識にタメだった。






俺、




















やっぱテオくんが好きだ。

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