第8話

#5
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2025/12/09 07:23 更新
 
 
咲楽雫  雰宇 .
咲楽雫 雰宇 .
 ひゅ…ッ、やだ、ッ…やめ… 
蕪木  ミサト .
蕪木 ミサト .
 え、ちょっと大丈夫?! 
隠里  澪 .
隠里 澪 .
 どうした? 
 
 一瞬みんな、顔に出ない者もいれど動揺したよう 
 だった 。
 でもそれも何人かは雰宇へ意識を向けて無理矢理 
 頭の端に追いやった 。
 
クロヱ
クロヱ
 ここ、大丈夫 
 
 クロヱは怖がっている雰宇に近づくと彼の目を覆う 
 ように手をかざす 。
 手を離した時には雰宇は目を閉じて眠りへと身を
 任せていた 。
 
 大丈夫なのかとここにいる誰かが声を掛けようとする
 頃にはクロヱは雰宇を軽々と抱え上げていた 。
 所謂、姫抱き 。
 クロヱは見た目によらず力持ちなようだ 。
 顔色1つ変えずに廊下に続く扉の方へ歩を進めて 
 いた 。
 
クロヱ
クロヱ
 私、これ部屋持ってく 
クロヱ
クロヱ
 みんなここでも自分の部屋でもいい 
 
 ばたん、と音を立てて扉は閉まる 。
 それに合わせたのか偶然かまたこの部屋に灯りが
 灯った 。
 
黒哭  月詠 .
黒哭 月詠 .
 あ、ついた… 
咲野  雪華 .
咲野 雪華 .
 雰宇さん大丈夫ですかね…? 
興梠  美知瑠 .
興梠 美知瑠 .
 まぁ…なんか訳アリだろうからね 
弄川  那柚 .
弄川 那柚 .
 あんなんみたらァ、そりゃァ 
 気ィ分わるいよーねェ
 
 那柚は顔を少し顰めて言った 。
 もっとも彼女は他人に関心があるとは思えないので、
 別に雰宇の事を気にしてではなく彼女的に不快な内容
 があの映像にあったからなのかもしれなかったが 。
 
 那柚の「あの映像は気分が悪い」という言葉に対して
 みんな詮索されたくないのか特に発言する事はないが
 同意見なようだ 。
 
隠里  澪 .
隠里 澪 .
 …どうしようか 
隠里  澪 .
隠里 澪 .
 まだ朝じゃん? 
 
 あんな物を見たあとに和気藹々と何かする気分には
 なれない 。
 
黒哭  月詠 .
黒哭 月詠 .
 ………別に屋敷内を歩き回っちゃ 
 いけない訳じゃないんだよね?
咲野  雪華 .
咲野 雪華 .
 そのはずですよ 
咲野  雪華 .
咲野 雪華 .
 何も言われてないですしね 
興梠  美知瑠 .
興梠 美知瑠 .
 じゃあ…まぁ自由でいいんじゃないかな 
四之宮  旭 .
四之宮 旭 .
 うん、入っちゃ駄目な所は鍵かかって 
 るだろうからね
蕪木  ミサト .
蕪木 ミサト .
 探索か、ここにいるか、自分の部屋 
 戻るか…かな
隠里  澪 .
隠里 澪 .
 うん、じゃあ各自で 
 
 
 澪 side
 
 みんなが散り散りに、自分の惹かれる場所へと歩を
 進める 。




 とりあえず行った事のない廊下の方に進んで、
 ふと目の止まった部屋にはいる事にした 。
 


 木製の少し重い扉を押すと、古い紙の匂いとそもそも
 不自然な程に静かなのに更にそれすらも吸い込んで
 しまうような静けさが俺を迎えた 。
 たぶん書庫だろう 。
 なんだか心がざわめいて、深呼吸してその紙の空気で
 肺を満たした 。
 それでも落ち着かなくて、落ち着くような場所を
 求めて棚の間を歩く 。



 棚に綺麗に並べられた日本のものから異国のものまで
 ありそうな古めかしい本を眺めながら歩いてると、
 他の立てられた本とは違い横に寝かせられて下段に
 いれられている本が視界の端に見えた 。



 これだけこんな入れられ方をするだろうかと手に
 取った 。
 触ってみると本、というよりは手帳のようなものだと
 わかる 。
 
隠里  澪 .
隠里 澪 .
 … 誰かの忘れ物、か? 
 
 そう言ったあと、そんなはずないと自分で否定
 した 。
 こんなところに、というかこの屋敷内に誰かの忘れ物
 なんてあるとは思えない 。  
 他の7人はここに来ていないだろうし、クロヱも手帳
 なんて持ち運ばなそうだ 。
 
 とはいえその誰かのものともわからないので一応
 中を見ようとページをめくる 。
 
隠里  澪 .
隠里 澪 .
 ッ___え? 
 
 目に飛び込んできた文字は見覚えのあるもの
 だった 。
 
  _____________________
    今日も変わらずいじめられた
    でもあいつと一緒だから
    あいつが笑ってくれるからいいんだ
    本当は自分も辛いくせに
    俺の事は頼ってくれないんだから
  _____________________
 
 そんなはずない 。
 
 でも 
 
 間違うはずもない 。
 
隠里  澪 .
隠里 澪 .
 … 橙夏 
 
 思わず名前を呼ぶ 。
 大好きだった、大切だった …  
 
 俺が壊した、親友の名前 。
 
 先程から彼の事を彷彿とさせるものが多すぎる 。
 橙夏との夢を見て早く起きてしまったし、今朝のあの
 気味の悪い映像の中にあった黒髪と茶髪の少年…
 見た直後は気の所為だと割り切ったがこんなものを
 見るとどうにも自分と橙夏だったように思える 。
 
隠里  澪 .
隠里 澪 .
 橙夏、こんなもの書いてたのか… 
 
 読み進めようとも思ったが、途端に怖くなって
 やめた 。
 「今じゃない」と言われているような気がして 。
 
 その手帳…もとい日記帳を閉じる 。
 彼の物だと決まったわけではないのだが、置いていく
 のも忍びなくてポケットにしまい込み書庫の更に奥を
 見ようとまた進み始めた 。
 
 
 すいません!
 11月更新できなかった!
 12月はもう一度できるかできないかかもしれません…
 そもそも更新遅いのに受験控えてるので更に遅くなる  
 可能性が…ちまちま進めてはいます
 遅くなっても完結はしっかりする予定ですので!!
 

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