朝が来たら、体が自動的に学校へ行こうとする
それは決して特別ではなく、
毎朝来る不思議なこと
不思議だけど特別ではない
学校が嫌なはずなのに、気がついたら校門の前に立っている
教卓から見て、後ろの右端
ベランダへでれる扉の前
そこは、暗黙のルールと化した彼女たちの居場所だった
HRが始まるまで、10分休憩、給食準備、放課後
誰が決めたわけでもなく、自然とそこは彼女たち3人の居場所だった
そこの近くを通るのは、後ろのロッカーや学級文庫をとるとき以外許されない
そしてその彼女たちこそが
天馬咲希を悪口の標的にしている主犯だった
「学校に行きたくない」
その言葉が、どうしても喉につっかえてでない
喉までは上がってきてるんだ
あとは吐き出せばいいだけ
なのに、それができない
言うのが怖い
(所謂)「いじめ」を受けているんだな
そう思われたくない
そんな目で見られたくない
変に気を遣わせたくない
わかってるはずなのに
お兄ちゃんたちは、そんなことで私への接し方が変になるわけないって
今だって、学校に行くのを強制されているわけじゃない
行きたくないと言えば休ませてくれる
わかってるけど
それでも
どうしても言えなくて
私は今日も
学校へ足を運んでしまう
できるだけ目立たないように教室に入る
私が教室に入った瞬間、一瞬時が止まったように会話が止み、沈黙が流れる
廊下や他の教室の喧騒がやけに大きくなった気がして寒気がする
小走りで自分の席へつく
悪口の標的にされているのに、いつもおはようを欠かさず言ってくる
それが嫌味なのはわかっているんだけど、家族以外(最近は家族でも会話を交わすことは少ないけど)で話すことの少ない私は、それでも少し嬉しくなってしまう
でも無闇に浮足立ったら悪口が加速しそうだから、声にはださない
そう言って肩を組んでくる
体が石のように固まって動かない
声まではいい
でも体はやめてほしい
一番触れないはずの心がもうぼろぼろなのに、
体なんていうすぐ触れる部分なんか
すぐ壊れる
壊される
あなたたちは何を期待していたの
毎回そう思う
きっと私がなにを言ってもだめだった
褒めても、貶しても、黙っても、怒鳴っても
泣いても、笑っても、なにをしても似たようなことを言う
これで、1日が始まる
最悪だけど、これが平日毎日
一番憂鬱なはずなのに、体は自然と学校へ向かっていた
朝が来たら学校に行かなければいけないというのに、夜は眠りについた
苦しくても眠気はくるし、ねなかったら体が悲鳴をあげる
朝は平等にくる
朝は「平等」にくる
その「平等」が私にとっては痛く、苦しい
- 作者より -
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。