ポトスの店内にて。
ことはは、そう言いながら、桜と僕の前にオムライスを置く。
相変わらず美味しそうだな。
そう思いながら口に頬張る
そう言う桜は妙に周りを気にしたりソワソワしていた。
……こういう所に慣れてないのかな。
ことはと桜が話してる間に
僕はオムライスを平らげたあと、
水を軽く飲みながらことはの代わりに桜に説明をする
そう言って、スプーンを不器用に持ってことはの作ったオムライスを一口頬張ったあと、顔が美味しそうなものを食べる反応をした
……こりゃことはの味にハマったな。
そんなことを考えながらスプーンを持つ手に視線を移動させる。
……ふつーならスプーンの持ち方ぐらい習うはずだけど……、多分教えてもらえなかったんだろうな。
そんなことを考えながらどうやら話は進んでいた
……たまにことはの度胸が羨ましく思う。
よく初対面の人間にそんなにすらすらと質問ができるよなぁと。
いや今に始まったことでもなかったな…。
そう言いながらずいっと、ことはは桜との距離を詰めて、目の色を観察していた
距離めっちゃ近いけど、大丈夫なのかなあれ。
すると桜はババっと後ろに下がって、構えをしながら赤い顔になって叫ぶ。
ことはは手振り身振りで、再現しようとしたけど、
桜には伝わらなかったらしく困惑させていた。
いやでもあれを最初見せられても困惑はするか…
するとことはは何かに気づいたように動きを止めて
桜に問いかけた。
風鈴高校
偏差値は最底辺
喧嘩は最強
"落ちこぼれ"の吹き溜まり
毎日が派閥争いに下剋上
盆も正月もケンカがない日はないって話
まさか。と僕は桜がこれから言う言葉を想像した。
その想像は的中した。
その言葉に、ことははピタッと手を止めた。
……ほんとに外から来た人間って感じがする。
そう、一拍置いたあと、あっと口に出して、
彼を見る
図星を突かれたのか、それともただ単に恥ずかしいのか、
また桜は顔を赤くした。
ほんとにすぐ顔が赤くなるヤツだな……
ことはの煽り……というか揶揄いに乗られた桜は
だんっ!と足を地について今にでも噛みつきそうな
ギラギラと闘志に燃えた目でことはを見る
その声に反応したことはが逃げ場はここだとばかりに
そそくさと移動して、
おじいさん……ことはは、山じいと呼んでる人を見送った。
でも、視界の端で、桜が何かを持って、山じいに忘れ物を渡すのが見えた
……なんだ、ちゃんと人のために動けるんだ。
ただのケンカしか考えてないってわけではなさそう。
そのあとことはは山じいが桜へのお礼として
お菓子をあげて、桜はまたそれに顔を赤くして、
用心だの警戒だのと言ったことをことはに言う。
自分で強いって言うんだ…。
まぁでも強くはあるだろうね。
…。だけど。
その言葉は、桜に向けられたものと同時に、僕に向けられた言葉と同じくらい重くのしかかった。
あぁ、なんもわかってないんだな
はぁとため息をこぼしたあと
スッと桜の方に体を向けた
そう言いながら桜は聞く耳持たず、ポトスから出て行った。
ことはを見つめたあと問いかけた。
桜が向かった先へと向かっていく。
あいつ。足早すぎだろ。どこ行ったんだよ
変な手間かけさせやがって……
そんなふうに自分で選んだくせに自分にキレながら
桜を探す
すると、少し先に進んだ時に、集団に囲まれてる桜を見つけた。
どうやらポトスに行く前に伸びてた仲間たちらしい。
面倒だな。放っておいたって別に僕にはなんの関係も……
そんな悪態をついたあと、走り出して、桜の近くにある奴を吹っ飛ばした。
しばらく対応していると騒ぎを聞いてことはが外に出て来た。
あのバカ……。
同時に男がことはの身柄を拘束してナイフを突きつけている
厄介だな
動き出す前に桜が前へと飛び出し、ことはの身柄を拘束していた男を吹っ飛ばした。
へぇ、やるじゃん。
ことはのことは桜に任せて残りの雑魚を片付けることに専念する
二、三回攻撃をかわしたあと相手の脇に蹴りを入れて吹っ飛ばす
何回もやっているとさすがに疲れてくるな……
大方片付いて来て、桜の方へ加勢しに行き、蹴りを命中させて相手を吹っ飛ばしていく。
ことはと話しているのに夢中になっていて相手への警戒が疎かになっていた。
ことはを庇って最低限身を固くすると、
桜が僕とことはの目の前にいる男を殴り飛ばした
桜は足元で倒れてた男に足をナイフで刺されたあと、
男がバットを振り翳し、僕とことはを守るために避ける。
後ろに避けたことで、ことはと僕がシャッター側に押され、僕はことはになるべく負担をかけないように、少しだけスペースを開けた。
これは、突破されるのは時間の問題だな。
なるべく体力を温存させて…
そんなことを考えていると、もう一度バットを持った男が桜に向かってバットを振り下ろす
まずい後には僕とことはがいるから……
だけどこのままだと桜が……
やるしかないか……
意を決して前に出ようとしたそのとき…
そんな声が上から降って来たと同時に、バットを背中で僕らを守るように受け止めた。
風鈴の制服、ガタイのいい体、特徴的な髪型…、
そういうとバットを持ち上げて、男に肘を思いっきり当て、集団に体を向けた
そう言いながら、続いていく、見覚えのある先輩たちが続いていき、バットをメキッと折りながら威嚇をした。
そのあとは、応援にきた先輩たちが集団を次々と懲らしめていく。
そのとき、桜に向かって1人が近づいていき
殴りかかろうとする
まずい、桜怪我して……。!
殴りかかろうとする男を柊さんが瞬時に吹っ飛ばした。
心底不思議そうな顔をする桜に説明をする
僕の言葉に付け加えるようにことはが口を開く
柊さんが口上を言うと同時に、集団たちはもう片付いていた。
その瞬間、街の人たちが柊さんを取り囲むようにお礼を言う
桜がどこか腑に落ちないような顔をしているのを見ていたとき、街の人たちが桜にも話しかけた。
そんな桜の拒絶したような声で街の人たちと話していた柊さんも街の人たちも桜を見る
…まぁ、その格好してたなら拒絶されることが多かっただろうし…いきなり認められてるように接してくるのは慣れてないし、怖いんだろうな……
そんなことを思いながら桜に近づく
桜に近づく前に、ことはが桜の前にしゃがんで、怪我を手当てし始めた。
そんなこと言う桜に呆れたようにそれでいて、不思議そうに僕は話しかけた
桜はおずおずとこっちを向き始めた。
…少しは向き合おうとする意思はあるのか…
何を思ったのか、桜は急に走り出して柊さんたちの方へ向かっていく。
ぶつかりそうになったことはを後ろに引き、ぶつからないようにする
まさかあいつ柊さんたちにケンカふっかける気じゃ……
……いや、
そういいながら桜は柊さん……ではなく
柊さんたちの後ろにいた不良に蹴りを入れた。
……これから風鈴は楽しみが増えそうだな。
これは…
ケンカしか取り柄のない
ド底辺の嫌われ者が
町の英雄になる物語だ
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。