マイクを通して響く学園祭実行委員長の声。
後夜祭の目玉、キャンプファイヤーが始まる。
最初は小さく、だんだん大きくなる火柱。
キャンプファイヤーは、暗かった校庭を赤く照らした。
学園祭実行委員として今日まで協力してきた3人は、お互いを労っていた。
少年は、離れた所にいる先生のもとへ駆けていった。
キャンプファイヤーは、ふたりの少女が握手する姿を照らしていた。
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学園祭が幕を下ろした翌日。
瑞穂は、待ち合わせをした本が読めるカフェに急いでいた。
ひとりごとをつぶやきながら歩いていると、向かいから他校の制服を着た少し派手目の少女が歩いてきた。
今日は、隣に母親がいるようだ。
仲良く話しながら、買い物といったところだろうか。
一瞬、少女が自分に向かって微笑んだように見えた。
しかし、少女は瑞穂とすれ違うと、気にしないそぶりで歩き去ってしまった。
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放火の犯人であった少年は、ひどくいじめられていた。
そして、いじめの主犯格の自宅に火をつけるところまで追い詰められた。
その主犯格はすでに引っ越し、別人が住んでいることに気が付かず……。
尚美は、小学生まで戻った際、母親に全てを打ち明けた。
母を病から救った後、その少年がいる学校に転校した。
そしていじめから守り、親友となった。
今では、犯罪を嫌う心優しい少年だ。
尚美は、後ろを振り返ってみた。
遠くに、先程すれ違った少女と、その友人2人が話しているのが見えた。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。