第7話

「疑心暗鬼」
1
2025/10/26 10:00 更新
その後も、投票は続いた。しかし犠牲者が増えるのみ。
教室に残ったのは、三人だけだった。
探偵、物書き、そしてぼく──プレイヤー。

椅子に座ると、空気は重く、時間が止まったようだった。
窓の外は灰色の霧。
夜の犠牲者の惨劇が、まだ頭の中で生々しく響く。
ぼく(プレイヤー)
ぼく(プレイヤー)
「……もう、誰も信用できない」
ぼくが吐き出すように言うと、物書きは小さく頷いた。
物書き
物書き
「信じるのは、自分の目だけだね」
探偵は黒板を指差し、淡々と告げた。
探偵
探偵
「犯人は、まだこの中にいる。
誰かを間違えれば、また犠牲が出る。
……君(プレイヤー)、次の投票は君が決める番だ」
ぼくは視線を二人に向ける。
しかし――どちらも怪しい。
探偵は冷静すぎる。物書きは黙りすぎている。
夜の惨劇を経て、心の中の秤は完全に揺らいでいた。

“間違えれば、死ぬ”



あの謎の声が、頭の奥で囁く。
思考が絡まり、心が裂ける。
でも、選ばなければ──ぼく自身が次の犠牲者になる。

手が震える。
頭の中で、事件の記憶を必死に整理する。
アイドル、人狼、先生――あの惨劇。
投票を間違えたせいで、死んだ命たち。

そして、テディの存在。
あの子は犠牲者じゃなかった……?
この混乱の中で、テディの真意は全くつかめない。
ぼく(プレイヤー)
ぼく(プレイヤー)
「……決めるしかない」
ぼくは息を吸った。
残る二人の目を見て、ゆっくりと口を開いた。
ぼく(プレイヤー)
ぼく(プレイヤー)
「……犯人は、君だ」
黒板に文字が浮かぶ。

「投票完了」



空気が凍りつく。
探偵は表情を変えない。物書きも黙ったまま。
だが、どちらかが笑うかもしれない。
どちらかが、次の罠を仕掛けているのかもしれない。

この瞬間、ぼくは悟る。
――もう、誰も信じられない。
信じられるのは、自分自身だけだ。
そして、ゲームの本当の恐怖は、まだ始まったばかりだということを。

プリ小説オーディオドラマ