朝の校門に向かう二つの影。
双子だけれど、歩く速さも呼吸のリズムもまるで違う。
ゆうは、れるの小さな足音に合わせて歩幅を調整していた。
れるが照れたように笑う。
ゆうは柔らかく返し、弟の少し冷たい手をそっと支える。
家ではゆうさんに甘えてばかりのれるも、学校に着いた瞬間、空気が変わる。
教室に入ったれるのもとへ、友達もクラスも一気に明るくなる。
れるは体が弱いぶん、周囲から自然と“守られる存在”になっていた。
明るく元気で、ちょっとツンデレで、皆に愛されるムードメーカー。
れるは小さく手を振り、いつもの笑顔を作る。
体調が悪くても、それを悟らせないように。
一方のゆうは別の教室。
成績優秀、真面目、頼られがち。
先生にも同級生にも「如月なら大丈夫」と言われるタイプだ。
ゆうの机には、早くもクラスメイトが集まっていた。
「如月くん、これ教えて!」
「ノート貸して〜」
「如月さん、今日の係頼める?」
ゆうは断らない。
断れない。
弟が体のことで大変だから、
自分くらいは頑張らなきゃ――
ずっとそう思ってきた。
休み時間、ふとした瞬間にれるの姿を見つける。
胸を押さえて、机にもたれているのに、周りには心配の声が飛び交う。
こえがそばで支える。
その光景は、ゆうには嬉しくて、でも少しだけ胸が痛かった。
(れるちが愛されてるのは、ありがたい。
……でも、僕の前以外では“甘える顔”、誰にも見せないんだなぁ、、)
弟は学校では頑張り屋で、愛される“如月れる”。
家に帰ってようやく、甘えた声で「ゆうにい……」と寄ってくる。
昼休み、廊下ですれ違った一瞬。
れるが小さく、誰にも聞こえない声で言った。
まるで、それを頼むのが悪いことみたいに。
ゆうは迷わず笑った。
その瞬間、れるは耳まで赤くして、ほんの少しだけ甘えた表情を見せた。
それは、兄にだけ許された顔だった。
あれれれれ、
きょうだい児の話の予定なんだけど
なんかわかんなくなった🙄🙄
がんばりまーす((












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。