あなたside
ずっと、普通に憧れていた。
みんなと同じ世界が見たかった。
そうすれば、仲良くなれるって信じていたから。
そうすれば、パパもママも私を大好きになってくれるって信じてたから。
毎日のようにママは学校の先生と電話をしていた。
先生とお話しした後、ママは私にいつも聞く。
いつも決まってこの会話。
これは、絶対に間違えてはいけない問い。
夜になると、パパとママは喧嘩をしている。
みんなと一緒。
呪いのように囁かれてきた言葉。
「お前はおかしい」
そう、レッテルを貼り付けられた。
違う
おかしいのはそっちでしょ?
私は勢いよくベッドから起き上がる。
寝汗にしてはぐっしょりとTシャツに染みている汗が気持ち悪い。
隣で寝ていた、"パパ"が目を覚まして私に聞いた。
そう、パパはこの人。
この人なんだから、心配する必要はない。
そんな、小っ恥ずかしい言葉を呟いてみる。
優しく問いかけけてくれる。
消しても消しきれない記憶と共に
私の根っ子から染み付いてしまった"普通"という呪い。
そう言って私を優しく抱きしめてくれる。
きっと、こんな風にありのままを受け入れてくれるこの人は
私の知っている誰よりも父親で優しくて暖かくて
大好きな人。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!