「……バレーは、チームプレイだよ」
微笑みかけた先輩の目には、俺ただ1人
そこにあった景色しか映ってなかった。
それからあの後色々あって……
日向とチームを組むくことに。
影「サーブも、レシーブも、トスもスパイクも、
俺一人でできる事だ。 」
日「……それ言ってさっき澤村さんに……」
影「なんだよ」
俺は悪くないだろ、
元はと言えば、日向が校長のズラを取らなかったら
よかった話だ。
日「ま、協力しよ………な?」
影「…………」
全部全部1人で出来ることなのに、
なんで協力しなきゃ行けないんだよ…………
「よし、ここは私の出番か()」
日「先輩!?」
腕まくりをして俺と日向の会話に入ってきたかと思えば、
「これでもバレー経験はあるよ!」と、
ボールを持って壁あてをし始めた。
影「……」
「…正直に言ってよ、今の気持ち。」
影「ッ?………」
「日向じゃ頼りないって言ってるもんだし」
隣で怒ってる日向を置いて、話を
続けた。
何故そう思われたのかはわからない。
何故?
「君のバレーセンスなら、自分で思っているトスもスパイクも、サーブも一人で出来るね」
ボールを高くあげた。
そのボールはまだ空中留まっている。
いや、止まっているのか。
「……まだ分からない?…影山」
空中に止まったかのようなボールを
飛んで壁にうった。
そのボールは跳ね返って足の元に転がって来た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!