第10話

9.
147
2026/03/05 21:34 更新
あなた side
あの件から早2週間ほど。あれ以降女子たちからの陰口告げ口はなかったし、目黒くん達との関わりはまだあるものの、そこまで目立つようなことはなかった。
そう思っていたのも束の間。
突如人気のない校舎のトイレに呼び出され、何をされるのかと思っていたら、この間私を引き止めた人達が目の前に現れた。
女子生徒
あなたちゃんさぁ?最近蓮くん達と絡んでないな〜とか思ってたのにこれなぁに?
目の前に突き出されたスマホの液晶に映るのは、私と目黒くんが並んで歩いている後ろ姿。
いつ撮られたのかも分からないその写真に私はすでにパニックだった。
女子生徒
これじゃ言い訳なんて出来ないよねー
︎︎
︎︎
な、なんでそんな写真…。
女子生徒
たまたまウチら蓮くん達の後ろにいたの。
女子生徒
そんで誰かといると思って隣見たらあんたでさぁ笑笑
女子生徒
言ったよね?蓮くん達と関わるなって。
女子生徒
もう忘れちゃった?笑笑
︎︎
︎︎
…っ。
何も言い返せない。だって目黒くん達と関わっていたのも、関わるなって言われていたのに仲良くしていたのも全て私が悪いから。
女子生徒
もうウチら手加減しないからね笑笑
女子生徒
恨むんなら自分のこと恨みなよ
そういうと3人はヒソヒソ何かを話ながら足早に帰ってしまった。
何もできず俯くことしかできない私を置いて。














sk.
あ!あなたちゃんじゃん!
︎︎
︎︎
佐久間先輩…!?
ab.
ちょっ、佐久間〜!?
俺のこと置いてかないでよ!笑
とぼとぼ歩く私の後ろから、ニカッと笑顔を浮かべて走ってきた佐久間先輩。
佐久間先輩が走ったせいで置いてけぼりにされたのか、ぷんぷんなんて効果音が付きそうに怒る阿部先輩がその2、3歩後ろを着いてきていて、その微笑ましい光景に落ち込んでいた気持ちが少し楽になった。
︎︎
︎︎
お二人ともどうしたんですか?
ab.
それはこっちのセリフ。
ab.
もうとっくにみんな帰ってる時間なのに
あなたちゃん残ってるからびっくりだよ。
ab.
何かあった?
阿部先輩まで鋭い…。生徒会長やってるだけあってちゃんと人の事見てるんだろうな。
︎︎
︎︎
図書室で本読んでたらもうこんな時間で…。
ab.
なるほどね。なら良かった。
あぁ、また咄嗟に嘘ついちゃった。正直に言えれば幾分か楽なのに。
sk.
ね、折角だし俺らと一緒に帰んない?
sk.
こんな遅い時間に女の子1人じゃ危ないだろうし!
この人たちこういう所がモテるんだろうな、と思わずにはいられないほど細かい気遣いができていて感嘆する。
こんな風に女の子扱いされたら誰だって嬉しいよね。
︎︎
︎︎
じゃあお言葉に甘えて…。
ab.
じゃあ、行こっか。
︎︎
︎︎
え、ちょ、手…、
しれっと私の手を掬って引いてくれる阿部先輩に、内心少しドキッとしてしまった。目黒くんもこの間同じことしようとしてくれてたよね。
やっぱりモテる人というのは、こういうさりげない仕草がモテる所以なのだろう。
ab.
あれ、嫌だった?ごめんね。
︎︎
︎︎
いや、じゃないです。
むしろ嬉しいっていうか、その…
ab.
よかったぁ…。
めめがしてたの見て真似してみたくて
sk.
これはあざとい警察出動かぁ〜!?笑
︎︎
︎︎
あざとい警察…?
sk.
そぉー!阿部ちゃんあざといから
度々あざとい警察に逮捕されてんの
︎︎
︎︎
な、なるほど…?
あざとい警察についてはよく分からないけど、阿部先輩があざといっていうのはなんだかわかる気がする。
ab.
佐久間
あなたちゃん困惑してるよ
︎︎
︎︎
やっぱり皆さん仲良いですよね。
sk.
そりゃあ9人揃って小さい頃からの幼なじみですから
︎︎
︎︎
え、9人みんな幼なじみ…?
ab.
そうだよ〜。しかも今はみんなで同居中なの。
話を聞いてみるとどうやら、9人みんな幼少期に家が近くてよく遊んでいたらしい。それが学年が上がっていっても続いたらしく、色々あって今は9人でシェアハウスをしているそう。
なんかすごい奇跡の確率の上に成り立ってるな…。
しかもそれで9人全員モテるんだから尚のことすごい。
sk.
今度俺らん家来なよ!
sk.
いつでも待ってるからさ!
屈託のない笑顔で言われると、自ずと頷いてしまうもので。気が付いたら私は二つ返事で了承してしまった。


さっきあんなことがあったのに私も呑気なものだな、と自嘲するも2人の顔を見ていたらそんなことがちっぽけに思えてくる。
この先の学校生活、楽しみなことが1つ増えたので良しとしよう。

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