第11話

10.
138
2026/03/01 00:15 更新
あなたside
女子生徒
あっ、やば笑笑
︎︎
︎︎
っきゃ!? _____
バシャッ
女子生徒
ごめんごめん手滑っちゃった笑笑
絶対わざとだ。だってこんな何も無いところで転ぶわけがない。あからさますぎて逆に呆れる。
女子生徒
ウチらこれから用事あるからあと掃除よろしくね〜笑笑
︎︎
︎︎
…っ。
バケツの水かけられて、掃除全部任されて。
私ってなんて不憫なんだろうか。
あー、寒いな…。5月とは言え流石に水を被ると冷える。
とりあえず残りの掃除を手短に終わらせ、ジャージに着替えようと思ったが肝心のジャージが見つからない。あぁ、どこまで不憫なの。
︎︎
︎︎
あ…今朝置いてきちゃったんだっけ…。
今日は体育がないからと迂闊にジャージを自宅に置いてきてしまった自分に嫌気がさす。
︎︎
︎︎
濡れたまま帰るのもなぁ…。
途方に暮れていると、廊下から誰かに声をかけられた。
iw.
あれ、あなたちゃんどしたの?
︎︎
︎︎
い、岩本先輩…!?
iw.
なぁんでそんなびっくりすんの
岩本先輩が笑ってるところ見るの初めてだな…。強そうな見た目と反対に屈託なく笑うのギャップがすごい。
iw.
それより濡れてるけどなんかあった?
︎︎
︎︎
あ…、これは…。
軽く事情を説明すると、岩本先輩はうんうんと相槌を打ちながら聞いてくれた。
iw.
俺のジャージ貸すよ。
︎︎
︎︎
え、いいんですか。
iw.
もちろん。
女の子は体冷やすのよくないでしょ。
iw.
ほら、これ。
廊下で待ってるから着替えたら教えて。
なんであの9人は揃いも揃ってこんなに気遣いができるんだろう。いや、だからモテるんだろうけど、私にも優しくしてくれるなんて。
︎︎
︎︎
先に帰ってもらっても大丈夫ですよ?
iw.
やだ。俺あなたちゃんと帰るって決めたから。
駄々っ子のように頬をぷくっと膨らませる岩本先輩は、私が思っていたよりも可愛い人なのか、初めて会ったときよりも柔らかい雰囲気を纏っていた。
こんな強面で高身長なのに拗ねて「やだ。」とか言うんだ…。









︎︎
︎︎
せんぱーい?着替え終わりましたよ。
iw.
んわ、思ってたよりぶかぶかだね。
︎︎
︎︎
そうですね…
確かにそれなりに私と岩本先輩とじゃ身長差があるため、予想以上にぶかぶかだ。
これはこれで包まれてるみたいで少し安心するけど。
iw.
じゃ、帰ろっか。
︎︎
︎︎
貸してもらった上に送ってもらうなんて恐縮です…。
iw.
いーのいーの。俺がしたいだけだから。
iw.
それにいつもあなたちゃん他の奴らに取られちゃうから俺的はチャンスだし。
チャンスって仲良くなるチャンスってことかな。確かに目黒くんや康二くん、意外と渡辺先輩がしょっちゅう私に絡んでくるような気はする。
そう思うと、岩本先輩と1体1で目を合わせて喋るのってこれが初めてかも。
iw.
康二なんてしょっちゅうあなたちゃんの話してくるんだよ?
︎︎
︎︎
え、そうなんですか。
康二くんが私の話を他の皆さんにもしてるなんて初耳だ…。
しかもどんな内容かが全く検討もつかないけど。
iw.
この間はあなたちゃんがなんか悩んでる〜みたいな話してたけど、何もない?
iw.
康二と目黒がめっちゃ心配してた。
︎︎
︎︎
え、まぁ当たり障りのないことなので大丈夫ですよ…あはは…。
iw.
ならいいんだけど…もしなんかあったら俺も力になるからいつでも頼ってね。
やっぱりあの9人って私が思っているよりも鋭いのでは。関わる度に誰かしらに心配されていては、この先バレるのも時間の問題だ。
iw.
あ、あなたちゃん甘い物好き?
︎︎
︎︎
甘い物?好きですよ
iw.
ほんと!?ならさ、今度一緒にカフェ行こうよ。
iw.
いいカフェ見つけたんだけど、俺1人じゃ入りずらくてさ
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︎︎
え、いいんですか?
iw.
もちろん
承諾した途端、目尻が垂れるくらいへにゃあ、と笑う岩本先輩のその顔を見て安心した。また楽しみが1つ増えて嬉しいな。

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