第8話

7.
155
2026/02/27 16:43 更新
あなたside



委員会が少しだけ予定より長引いてしまい、教室に戻る頃にはもう誰も残っていなかった。
今日は課題が出ているため早く帰ろうとサクッと荷物をまとめて教室を出たその時。不意に背後から声をかけられた。
女子生徒
あなたの名字さんだっけ?
︎︎
︎︎
は、はい…そうですけど…。
女子生徒
ははっ笑笑
噂通りの地味女じゃん笑笑
見るからにキャピキャピした私とは性格も見た目も真反対な人達。何人かいるけど、中には同じクラスの子もいた。
女子生徒
あなたの名字さんさぁ…
なんか調子乗ってない?
︎︎
︎︎
……え?
調子に乗ってるなんてそんな…私何かした記憶なんてない…。あ、もしかして…。
目黒くん達のこと、かな。
女子生徒
ちょーっと蓮くん達に気に入られたからっていい気になってんでしょ笑笑
女子生徒
あーあ蓮くん達かわいそー
女子生徒
あんたみたいなクソ陰キャの相手させられて
そうだよね。あの9人といたらこういう風に女子からの反感を買っていじめられるなんて分かりきってる。
︎︎
︎︎
そんなの私が一番思ってることなのに…
女子生徒
なんか言った?
声小さくて聞こえないんだけど
女子生徒
はっきり言ってくんないと分かんないんだけど笑笑
︎︎
︎︎
な、なんでもない、です…。
女子生徒
ま、そーゆー事だからさー
明日から蓮くん達に近づかないでね?
︎︎
︎︎
え。
明日から急に関わるなと言われても、目黒くん達に不審に思われるだけだろう。それに、まだ知り合って間もないのに明らさまに避けるなんてしたら、絶対いじめられてるって勘づかれるに決まっている。
女子生徒
何が"え"なの?
会話しなきゃいいだけの話なのに
女子生徒
まさかあなたの名字さんも蓮くん達のこと狙ってんの?
︎︎
︎︎
ち、違います…!!
女子生徒
あっそ
ならいいじゃん
この人たち私が何か言う度にバカにして高笑いしてくる…。言い返せない私が悪いんだろうけど、こんな状況下で冷静になんてなれない。







fk.
あれ、あなたちゃん?
fk.
どしたの?
︎︎
︎︎
ふ、深澤先輩…。
どうやら私がもたもたしているうちに向かいの階段から深澤先輩と渡辺先輩が上がって来ていたらしい。
委員会が始まる前に言ってたあれってホントだったんだ…。
それにしても不味いな、この状況。ただでさえ目黒くんのことで怒らせているのに、火に油を注ぐかの如く深澤先輩たちが来るなんて。
女子生徒
深澤せんぱぁいこんな所になんの用ですか?
fk.
んー、別になんでもないよ。
nb.
お前らこそ何してんの?
女子生徒
私たち、あなたちゃんと仲良くお喋りしてたところなんです
nb.
あっそ。
この2人明らさまに態度悪くなってない?私に話しかけてくれた時の物腰の柔らかさがまるで人が変わったみたいに綺麗さっぱりなくなってる。
女子生徒
先輩たち
私たちと一緒に帰りません?
こっちはこっちで目に見えるように媚び売り始めていて、その豹変ぶりに思わず驚愕する。
fk.
ごめんね、俺らあなたちゃんに用あんの。
nb.
ほら、帰った帰った。
俺らも暇じゃねぇんだからさ。
女子生徒
えぇ〜ひどーい
女子生徒
もぉ先輩たちってば冷たいなぁ…
女子生徒
まぁまた今度誘うので待っててくださいね
女子生徒
あなたちゃんじゃあね〜?
︎︎
︎︎
え、?
女子生徒
明日以降覚えてろよ?
︎︎
︎︎
……っ。
帰り際に耳打ちされたその一言に、つぅ、と嫌な脂汗が垂れる。今のやり取りで絶対ヒートアップしたに違いない。
nb.
はぁ"ぁ"…やっといなくなった…。
nb.
ほんっとああいう奴ダルいんだよ。
fk.
なーべー?そういうこと言わないの!わら
︎︎
︎︎
あ、あの…!ありがとうございます…。
fk.
いいのいいの、気にしないで。
fk.
むしろ俺らの方は謝るべきだよね。
nb.
ま、あんなん火に油注いだようなもんだからな。
︎︎
︎︎
私が悪いだけですし、おふたりは何も悪くないですよ…!
︎︎
︎︎
私こう見えてメンタル強い方ですし
こんなの全然平気です
これは全くの嘘。だって私とんでもなくメンタルが弱くてすぐ落ち込むタイプだし。
2人やそれ以外の7人に迷惑をかけない為にも私が耐えるしかない。
fk.
んーそうかなぁ…。
nb.
悪いのは勝手にあることないこと言って騒いでるヤツらだろ。
nb.
とりあえず帰んぞ、ほら。
︎︎
︎︎
え、私もですか…?
nb.
それ以外に何があんだよ。
fk.
んは、さっき言ったじゃん?
また帰りね〜って。
fk.
目黒には悪いけど俺らもあなたちゃんと仲良くなりたいし!わら
︎︎
︎︎
じゃあ、ご一緒させてもらいます…。















nb.
さっきのことあんま気にしすぎんなよ。
︎︎
︎︎
だ、大丈夫ですよ。
咄嗟に話しかけられて、反動でまた嘘をついてしまった。私最近嘘つきすぎてバチが当たりそう…。
fk.
ほんとに〜?
fk.
ダメかもって顔に書いてあるんだけどなぁ。
︎︎
︎︎
え?そ、そんなに私って分かりやすいんですか…?
nb.
まぁ結構分かりやすいね。
︎︎
︎︎
えぇ…。
fk.
ま、何かあったら一人で抱え込んじゃダメだよ。
fk.
深澤さんがいつでも相談に乗ったげるから。
深澤先輩に言われると不思議と全て話してしまいそうになるのは何故なのか。そんなに優しい顔で微笑まれたら嘘なんてつけない。
nb.
先輩相手だから〜って遠慮すんなよ?
nb.
それでもどうしても無理〜ってんなら康二とかに話せばいいし。
nb.
俺らみんなあなたちゃんの味方だからさ?
︎︎
︎︎
頼もしい限りです…。
fk.
じゃあ俺らこっちだからさ
︎︎
︎︎
あ、反対だ…。
nb.
残念。また明日ね。
︎︎
︎︎
はい…
じゃあねなんて、また明日ねなんて、そんな風に言ってくれる友達がいなかったから新鮮でなんだかむず痒い気持ちになる。
私がもっと明るくて可愛かったら深澤先輩や目黒くんと仲が良くても咎められないのかな。なんて思いながら、残された帰り道を進んで行った。

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