あなた side
みんなと連絡先を交換してから帰った次の日。いつも通りの登校中。
1つ変わった点があるとすれば、いつも以上に校門周りを賑わせている女の子達の黄色い声がやけに大きいこと。
毎日登校する度に思うけど、あの取り巻きの中心に何があるのか。
あれ、ちょっと待てよ…?
目黒くんってめちゃくちゃモテるって話してたよね…。
つまり?これって?
キャーキャー騒ぎ立てる女の子達の輪の中から頭1つ分以上飛び抜けている目黒くんがこっちを振り向いて見てるのだから驚くのも無理はない。
小走りでこっちに来てくれた目黒くんの横には、康二くんと昨日会った7人がいた。
いつもキャーキャー言われたのって目黒くん達だったんだ…。私こんなモテる人達と一緒にいて大丈夫なのかな…。女子に後ろから刺されたりしない?
無言でこちらに手を差し出す目黒くん。なになになに、どういうこと。手繋げってこと?
離れた所で聞こえた「なんでアイツみたい陰キャが」「あんなやつが気にいられるなんて…」という声はなるべく聞かないようにして目黒くん達と教室へ向かった。
昼休み。私の前の席に座って尋ねてきた康二くんの言葉に少し焦りを覚える。きっと今朝、私が挙動不審だったのを見てこうやってふんわり伝えようとしてくれたのだろう。
キラキラした眼差しでこちらを見つめる康二くん。
委員会決めで仲のいい子達が固まった結果、数が足りなくなり私一人で保健委員を請け負うことになった。
ただでさえ友達が少なくて馴染めないのに、クラスメイトすらいないのは少し心細い。
教室に入ってきたのは昨日会った深澤先輩と渡辺先輩だった。
2人に話しかけられたせいで周りの女子からの視線が痛い。目黒くん以外もこんなモテてたら私恨まれてそのうち本当に刺されそう。
今その話するのはやめて欲しかった…。ただでさえ注目を浴びているのにも関わらず、2人が楽しそうに私に話すせいで周りの女子の反感を買ったのか、ひそひそ話す声まで聞こえてきた。
その事に気付いていたのなら話しかけないのが最善だったのではと思うが、私みたいな奴と友達になってくれた人達なんだから感謝しなくてはという謎の責任感を感じてしまう。
まぁ仮に反感買っていじめに発展しても気にしなきゃいいだけ、だし…。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。