そらはオムライスの食券を拾い上げて先輩の元へと戻っていく。
なんとなく手がポケットへと伸びていた。
…ない。
食券がない!
さっき、落としたのか…。
食券返してもらいに出て行くなんて格好悪いし、第一、隠れていたことがバレる。
そんなダサい真似できない!
私は仕方なくオムライスを諦め、早めに午後の講義へと向かうことにした。
午後の講義を終え、今日もサークルへと顔を出す。
ざっと部屋を見渡す。
…あれ、そらまだ来てないのか。
いつもそらのほうが先に来てるんだけどな。
たしかこの人、そらと講義が一緒なんだっけ。
そらがバイトをしているなんて聞いたことないぞ…?
次の日の昼。
昨日の講義で出た課題を軽く片付け、一息つく。
ふと、思い出すのはそらのことだ。
まあ、今度あったときに覚えてたら色々聞いてみるか。
さて、今日やることは片付いたし…何しようかな。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!