第4話

3話
91
2026/02/19 17:11 更新

座席から立ち上がると、また足が痛んだが、あなたは伯玖に悟られないように平然と「銀河鉄道」を降りた。



(なまえ)
あなた
(思ったより痛いな〜。
というか……特待生ちゃん、こんなに血出てたっけ?
原作より深く切っちゃった?)


改札を抜けると、さわやかな秋風が出迎えてくれる。


草薙伯玖
草薙伯玖
もう少し歩けるか?
まずはその怪我、治しちまおう
(なまえ)
あなた
はい……
草薙伯玖
草薙伯玖
……ちょっと失礼
(なまえ)
あなた
え、わっ……!?


伯玖はあなたの様子をうかがい、断りを入れて、お姫様抱っこをした。


(なまえ)
あなた
は、伯玖さん……?
草薙伯玖
草薙伯玖
あまりに痛そうにしてたんでな
(なまえ)
あなた
(ばれてた……!
私、こういうのはあまり顔に出ないタイプだと思ってたんだけど……)
(なまえ)
あなた
あの、大丈夫ですよ?
少し歩くくらいなら……私、重いし……
草薙伯玖
草薙伯玖
いや、むしろ軽いくらいだろ
(なまえ)
あなた
(うそだぁ……)
草薙伯玖
草薙伯玖
お姫様は大人しく運ばれてなさい
(なまえ)
あなた
……はい


あなたは諦めて大人しく運ばれる。





ニャー!
ニャー!

道すがら、帽子を被った猫たちが、忙しなく走り回る姿を何度も見かける。


(なまえ)
あなた
猫がいっぱいだ……( * ॑꒳ ॑*  )✨
草薙伯玖
草薙伯玖
理事長の趣味でな


ふと、ベンチに目を向ける。

(なまえ)
あなた
(本当に、街灯がベンチに座ってる……)












(なまえ)
あなた
すごい……


校舎に入ると、思わず息を呑む。

(なまえ)
あなた
(生で見ると壮観だな……)
草薙伯玖
草薙伯玖
さてと。
ニコラ先生は、カウンセリング室にいるっつってたかな












部屋の前に着くと、伯玖は一度あなたを降ろして、扉を、コンコンとノックする。

草薙伯玖
草薙伯玖
失礼します
ニコラ
ニコラ
おっ、ご苦労さん
(なまえ)
あなた
失礼します……
ニコラ
ニコラ
待ってたよ。
きみが、あなたさんだね?
(なまえ)
あなた
はい
ニコラ
ニコラ
私は「怪異医科学」担当のニコラだ。
よろしくね
(なまえ)
あなた
よろしくお願いします
草薙伯玖
草薙伯玖
ニコラ先生はこの学園の教師なんだ。
で、おまえさんの怪我は、右足だな
ニコラ
ニコラ
ちょっと見せてもらうよ


ニコラは足元でしゃがみこむと、怪我の状態を確認し、こちらを見上げて眉を寄せた。


ニコラ
ニコラ
ああ、これは痛いね。
かわいそうに。
ソファーに座って。
これ、嗅いでてくれる?


少しレトロな銀色の小箱を渡される。

(なまえ)
あなた
シナモン……
ニコラ
ニコラ
そう。
あと、柳の樹脂とか生姜を混ぜて、ウィルオウィスプで燻したんだ
(なまえ)
あなた
ウィルオウィスプ……
(なまえ)
あなた
(えーと……確か、人魂、だったっけ?)
草薙伯玖
草薙伯玖
……先生。
この子、ここの生徒じゃないんだからさ
ニコラ
ニコラ
そうか!
ごめんごめん。
外の人と話すのが久しぶりで、つい
草薙伯玖
草薙伯玖
ウィルオウィスプは、鬼火の一種で……俗にいう、人魂ってやつ
(なまえ)
あなた
へぇ……
ニコラ
ニコラ
そろそろ良いかな。
痛かったら、言ってね



ニコラは持っていた小瓶の蓋を開け、ピンク色の液体を指先に垂らすと、傷口に優しく塗り込んだ。


一瞬、右足全体が熱を持った感覚があって、それからすぐに傷口が閉じていく。


ニコラ
ニコラ
痛くないかい?
(なまえ)
あなた
全然痛くないです
ニコラ
ニコラ
それはよかった。
傷跡も、明日にはきれいに消えるはずだよ
(なまえ)
あなた
(本当に魔法みたい……)
草薙伯玖
草薙伯玖
良かった良かった。
そんじゃ、次は理事長室に───
???
お、来てるじゃーん!
噂の目撃者♪


突然、黒い目隠しをした男が口元に笑いを浮かべながら、部屋へと入ってきた。


そのまま観察するかのように、あなたの周囲をくるりと一周し、向かい側のソファーにもたれかかった。


(なまえ)
あなた
(何度見ても、ほぼ五〇悟だよね……ハイド先生)
ハイド
ハイド
ん〜、普通の可愛い女の子に見えるけどね?
可能性としては、「怪異」の影響か……
(なまえ)
あなた
…………
草薙伯玖
草薙伯玖
どっからどう見ても不審者だよな
ニコラ
ニコラ
ハイド先生。
ろくに挨拶もできないなんて、生徒に示しがつきませんよ?
ハイド
ハイド
ひどくない?
こんなイケメン捕まえて、不審者はないでしょ〜よ
(なまえ)
あなた
(顔見えないけど……五〇悟並にイケメンなのかな?)
ハイド
ハイド
でも、たしかにニコラ先生のおっしゃる通り


彼はポケットに手を入れたまま、
軽く身をかがめて、あなたに視線の高さを合わせた。


ハイド
ハイド
僕はハイド。
「怪異生態学」を担当してる。
この学園で一番、生徒想いな教師だ
草薙伯玖
草薙伯玖
…………
ニコラ
ニコラ
…………
(なまえ)
あなた
…………
ニコラ
ニコラ
ご冗談はさておき、治療は終わりましたよ。
このままカウンセリングに移行しますか?
ハイド
ハイド
ですね。
「マッチ」が効かない原因、早いとこわかった方が安心でしょうし。
ってわけで、今から僕と、ふたりきりで話をしよう
(なまえ)
あなた
……つまり、今から私の心の健康診断もすると
草薙伯玖
草薙伯玖
よくわかったな。
まあ、そういうことらしい
ハイド
ハイド
僕、今そう言ったじゃない
伯玖・ニコラ
言ってない言ってない


早速カウンセリングに入るため、部屋を出ていくふたりを見送り、ハイドと改めて向かい合う。














ハイド
ハイド
君が遭遇した「怪異」、覚えてる?
(なまえ)
あなた
(ここは一応聞いといた方がいいか。
教えてもらってないこと知ってても怪しいだけだし)
(なまえ)
あなた
「怪異」って……お化けとか妖怪とかそういうのですか?
ハイド
ハイド
うん、まあ、大体はそうだけど……もしかして説明されてないの?
(なまえ)
あなた
はい。
「怪異」はアニメやゲームで聞いたことありますけど……
ハイド
ハイド
君、どうやってここに来たの?
(なまえ)
あなた
電車に乗ってたら、その「怪異」らしきものに襲われて、大我と呼ばれてた赤髪の人が現れて……
ハイド
ハイド
うんうん
(なまえ)
あなた
なぜかその人にも襲われて、危ないところを伯玖さんに助けてもらい……
ハイド
ハイド
げ、大我のやつ、マジで?
ごめん、今のは聞かなかったことにするわ。
で、あれよあれよと「銀河鉄道」に乗せられ、我が学び舎までやって来たと
(なまえ)
あなた
まあ、そういうことですね
ハイド
ハイド
そんだけ体験してりゃ、話は早い。
今、君が説明してくれた不思議な出来事、それを全部、「怪異」って呼びます。
世間では常識とされてる道理や法則から、逸脱しちゃってる存在ってあるでしょ?
巷では『オカルト』って呼ばれるもの。
あとは『超常現象』とか、『UMA』とかさ。
僕たちは、そういった「怪異」を探し出し、管理や研究を行ってる、世界的な組織なんだ。
ここダークウィックアカデミーは、その隠れ蓑にして、組織の教育施設でもある。
要するに、世界の平和を守る、超善良な活動団体の、日本支部ってわけ
(なまえ)
あなた
なるほど
ハイド
ハイド
で、僕はこの学園の教師であり、同時に「怪異研究」の第一人者でもある。
もうわかってくれたと思うけど、僕って優秀だからさ。
安心して、なんでも話してね☆
(なまえ)
あなた
わかりました
ハイド
ハイド
いい返事♪
じゃ、そろそろ始めますかね


ハイドはおどけるように声を上げる。


ハイド
ハイド
「ホッジ」く〜ん!
「ポッジ」く〜ん!
カウンセリング、始めるよ〜!


部屋の奥から、両手がタイプライターを持って飛んでくる。




(なまえ)
あなた
(「ホッジ・ポッジ」だ〜……かわいい)
ハイド
ハイド
今から君に、いくつかの質問をするよ。
あまり深読みせず、本当のことを答えてね
(なまえ)
あなた
はい
ハイド
ハイド
君はさっき、全身が草花で覆われた「怪異」と遭遇したよね?
(なまえ)
あなた
はい、しました
ハイド
ハイド
その時、「怪異」の瞳、見た覚えはない?
(なまえ)
あなた
見ました……頭のところに大きな目がひとつ……
ハイド
ハイド
……目が合った?
(なまえ)
あなた
がっつり
ハイド
ハイド
……そうか。
やっぱりね。
「ホッジ・ポッジ」、確定って書いといて


紙に文字を刻む音が、静かな部屋に響き渡る。


あなたはタイプライターを叩く『手』を見つめる。


ハイド
ハイド
あ、気になる?
(なまえ)
あなた
いえ、かわいいなと
ハイド
ハイド
かわいい……独特な感性を持ってるね、君。
右手の赤リボンの子が「ホッジ」。
左手の、黒いレースの手袋が「ポッジ」


赤いリボンを付けた手が、どこか嬉しそうにこちらに向かって手を振ってくれた。

あなたは「ホッジ」に手を振り返す。


ハイド
ハイド
(かわいいな、この生き物)
ハイド
ハイド
さて、次は君の心の状態を覗くよ。
ここにあまり干渉されてないといいけど。
今から示す質問と絵を見て、君に当てはまるものを選んでみて。
直感でね













ハイド
ハイド
はい、質問はこれで終わり


ハイドは資料を片手に立ち上がると、テーブルの上のタイプライターを覗き込む。


忙しなく打ち込まれ続ける文字を見て、彼は、ひゅう、と口笛を鳴らした。


ハイド
ハイド
へ〜。
君は『信頼を重んじるタイプ』か。
愛情深く、何事にも忠実に取り組む人、と……ってことは、僕の統計上、ジャバウォックと相性がいいかもね
(なまえ)
あなた
(お〜、ここはゲームと同じか)
ハイド
ハイド
あ、今この子たちが描いてくれるって。
相変わらず、仕事が早いね〜

「ホッジ・ポッジ」は絵を描く。

ハイド
ハイド
お、完成したみたいだね
(なまえ)
あなた
ありがとう


お礼を言いながら受け取り、絵を見る。

ハイド
ハイド
ジャバウォックの絵札だね。
お守りとして、君にプレゼントだって♪
(なまえ)
あなた
(即席でこれは、本当すごいな……)
(なまえ)
あなた
素敵な絵……


こちらに手を差し出し、握手を求めてきた、赤いリボンの「ホッジ」の手を握る。














───────


心理テストの他の結果で、
『独創性を重んじるタイプ』のホタルビと、
『調和を重んじるタイプ』のオブスキュアリと、
3つで迷いましたけど、

あなた夢主はこれかなと選択肢を選んで心理テストをした結果、
ジャバウォックだったのでジャバウォックにしました。


物語に関係はないです。


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