*前回の続き
ガラガラッ
とりあえず一番付き合いの長い(?)湊先輩に
助けを求める。
もうこの際ローレン先輩の腕の中から抜け出せれば
誰でも良かった。
湊先輩が私を高く抱き上げて、自分の所に
座らせた。
湊先輩はそのままぎゅっと後ろから私を
抱きしめる。
私は湊先輩の言葉に弱い。
黙った私を見て無言の了承と感じ取ったのか、
湊先輩は満足そうな顔をした。
またしても話をややこしくしようとするローレン
先輩の口を全力で塞ぎ、大きい声で言った。
ギュウウッッッ
そう思ったが、これ以上湊先輩の機嫌を
損ねないために口には出さなかった。
ローレンside
二人がそんな会話をしているとき、俺はずっと
あなたを見ていた。
一見普通でなんてことのない、至ってどこにでも
いそうな女子生徒。
…いや、違うな。
あの遊び人の不破湊があんなに一人の女に執着する
ということは、彼女が他とは違う ” 何か ” を持って
いるということなんだろう。
…知りたい。
” あなたの名字 あなた ” という存在が、一体何を
持っているのか、他と何が違うのか、知りたい。
誰かに興味を持ったことのない俺には、初めての
感情だった。
きっとまだこれは、恋じゃない。
だけど、俺が ” あなたの名字 あなた ”という
存在に惹かれているのは、確かで否定しようのない
事実だった。
俺が ” あなたの名字 あなた ” を好きになるまで、
あと ×× 日。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!