第62話

呼吸③病気を思い知ること
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2024/03/10 15:00
照side

















その後、だいと話したかったけど、すっごい体が疲れちゃってそのまま寝てしまった。

















まだ先生からご飯は食べれないからって言われてて














あーなんか食べたいなー、














少し目が空いた時にだいが1人でご飯を食べているのを見てそう思った















最後のシュークリーム食べそびれたな
















あ、タピオカって食べれるようになるのかな












あれだいぶ飲み込みにくそうだけど















……食べれないって辛いな



















あー……お腹なりそう
































そういやトイレ……
















行きたくならないな






















下半身に意識を持っていくと、管が通されていた













あ、これ……バルーンってやつだ、調べたヤツ
















えーすんごい不快だな

















あとオムツしてるわ、俺



















なんかすっごい嫌















気分的にもすごい嫌、

















































なんかジョロジョロ聞こえるのも嫌だな















なんか臭うしな












めっちゃやだ















あー……なんか落ち込むわ、















そんなことを思ってるとまた寝てしまった。






























たつ
おはよぉ!











元気に兄貴はやってきた、
















ごめん、それだけが言いたいのに















今日はあまり声を出せなかった













なんで?昨日は出てたじゃん
















だい
ごめんね、
たつ
分かってくれたらいい!
おれも強い言い方してごめんね、笑
2人の方が辛いのは変わりないもん、
俺が被害者ぶっちゃった、笑










ははは笑










と笑う兄に、たくさん隠し事をさせて申し訳なかった













たぶん俺が寝てる間、だいは無茶し続けたんだろうし













おきた瞬間、仕事のこと言われたからずっと兄貴にその事で当たってたんじゃないかな












ごめんね、俺のわがままだったかもしれないな、




















たつ
……なーに、泣いてんの、笑
ひか
……~~~……っ、
たつ
はは、笑
自分のこと責めてんの?笑
ひか
……(コクッ)……グスッ……
たつ
もぉいーの!笑
気にすんな!笑









ごめんね、ほんとごめんね、


















だい
……


































そこから程なくしてだいは退院した。















そしておれもリハビリが開始された。













ご飯が食べれるようにが第一目標
















左手は少し動くようになってきたけど、まだご飯食べるほどには回復してない。












看護師さんに食べさせて貰う日々












ひか
……んっ……ケホッ…ケホッ……









筋力が落ちたら咳も出来ないんだな、













喉のすぐそこにいるのに、咳こめずに出せなかった















看護師
大丈夫ですか?もう少し思いっきり咳き込んでみて?







そう言われても十分思いっきり咳き込んでるんだよな、















看護師
ごめんね、辛いことするね









すると喉と鎖骨の境目のところをぐっと押された


















普通に苦しくて、











ひか
…っ!!……ゴホッゴホッ……













思いっきり咳き込んだ

















確かに楽になる、楽になったけど


















味わう暇もなく口にご飯を流し込まれて、初めての食事を終えた感想は、















……つかれた……。














だった。





































そして俺がいちばん辛かったこと、




















看護師
次、12時におトイレ行きましょうねー










朝ごはん後にそう言われて今11時頃、























やべ、トイレ行きたいかも、
















そう思って、ナースコールに手を伸ばしたけど全然取れなくて、早10分ほど。


















体に力が入らなかったらこんなにトイレ我慢できないもんなの?













やべ、なんかお腹も痛くなってきたし、





















何としてもナースコールを取らなければ、

























思いっきり身体に力を入れれば、




























下半身が暖かくなった。






























ひか
……ぁっ……


















止めようにも、ギリギリまで我慢していた俺は止まらず、



















固形物を食べていない俺は便も緩く、漏らしてしまったみたいだった























……俺は愕然とした























……こんなにも辛いものかと






















……赤ちゃんみたいだって、



















そう思ってしまうこと


















辛くて辛くて、

















ただ止めれない排泄行為をつづけていた


































ひか
……グスッ……
















トイレ漏らして、泣くとか、ほんと赤ちゃんじゃん、
















最悪、最悪だ、

























だい
ひかー
向井
やほー!








外出日だったな














だいと康二くんが来た















だい
……どうしたの……?















泣いてる姿、また見られた
























向井
……ナースコール……取りたかったんか……?
ひか
……グスッ……













もう近づかないで、臭いから


















だい
……トイレ……?
ひか
……(コクッ)……
だい
……わかった、看護師さんに、
向井
大丈夫、俺言うてくるわな!
だいちゃん、横おったり、
その方がひかるくん安心するわ、



















康二くんの呼び掛けで看護師さんが来てくれて















されるがままの状態で俺は下半身を露出し着替えさせられた。



























俺のプライドはズタボロだった。










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