それから一週間が経って、引っ越し当日になった
涼太の方の荷物は先に一緒にまとめた
残るは私の方だけど、食器を包む新聞紙が足りない
亜嵐くんと龍友くんが手伝いに来てくれた
もちろんマスクをつけて変装をしている
そして全ての割れ物たちを新聞紙で包んで一時間くらい
ダンボールを外の車に運んだ
2台の車にそれぞれダンボールを積み込んだ
そして亜嵐くんたちとは一度お別れ
運転手さんに荷物の乗った車を預け、私たちはタクシーで行くことにした
新居は普通の二階建ての家
住宅外よりも少し離れた場所にあるんだけど
涼太くんの事務所からもまぁまぁ近くて
今度は奈々なの家からも近くなった
防犯面も安全だって大家さんから聞いた
二つの鍵がついててさらにチェーンもついてて、部屋数も広いらしいし、住みやすいみたい
そんなことをタクシーで話していると目的地に着いた
そしてタクシーから降りて数分歩くと
車二台が泊まっていた
一緒にダンボールを運んでくれた
冷蔵庫や洗濯機、電子レンジとか炊飯器、オーブン類も今日中に届くらしい
ダンボールも全て部屋に移動させたところで運転してきてくれた人は帰っていった
こりゃあ三日くらい大変そう笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!