あれから碧海は帝国に大嵐を巻き起こした。
その能力を使うのにも大変な力を使うのか息が切れているのもわかっていた。
けれど、碧海のその揺るぎない信念に導かれて景瑚くんまであと一歩という時に、碧海は刺された。
俺たちも信用していた侍従のルーシャ。
俺たちとは何の関係もない人物だけど、でも確かに碧海を助けてくれたエルフ。
咄嗟に碧海の前に立った時、横には祥生や汐恩もいた。
心強くて、自分は独りでは無いと実感した。
景瑚くんのことは碧海に助けて欲しかった。
碧海が助けてくれることに意味があるんだと思った。
「碧海先に行って!」
碧海は苦しそうな顔をしながらそれでも前に進んでくれた。
もう失うものはない。
もう、碧海に情けない姿を見せることはない。
こいつには、絶対に負けない…!!
「下等な人間が何を揃いも揃って…」
「下等じゃない!僕たちだって信念があって生きてる!お前の自己中心的な知識だけじゃなくて!」
震える手を押さえながらルーシャに切先を向ける。
怖くて、恐くて手が震える。
死ぬことは怖いことだ。
でも、でも…!
「お前に碧海は渡さない!!」
僕には確かな大切なものがあるんだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。