――ある日の土曜日の午後。
10人姉妹のにぎやかなリビング。
あなたの下の名前は、白いクッションにもたれてちょこんとおすわりしていた。
「ばぁっ!」
両手をぱたぱたさせながら、ごきげんそのもの。
その姿を見て、高2の蘭が急に立ち上がる。
「ねえママ!今日のあなたのニックネーム、私がコーディネートしていい?」
ママの心が笑う。
「いいよ。どんなイメージ?」
蘭はくるっと振り向き、宣言した。
「ディズニーのデイジー風!」
「えー!かわいい!」と小2の心菜。
「デイジーってピンクとか紫のイメージだよね?」と中1の栞月。
「そう!ちょっとおしゃれで、お姉さんっぽくて、でもふわっと可愛い感じ!」
蘭はさっそくベビー服の引き出しを開ける。
真剣な表情で色味をチェック。
「……これだ。」
取り出したのは、淡いパープルのドットロンパース。
「わ、紫の水玉!」と小5の文寧。
「デイジー感ある!」と年長の璃杏。
さらに蘭は、同系色のくつ下を合わせる。
「足元も大事だからね。」
そして最後に取り出したのは、大きめのリボンヘアバンド。
「きたーー!」と大学2年の美羽。
あなたの下の名前はきょとんとしながら、
「うー?」
と蘭を見上げる。
「あなたのニックネーム、かわいくしよっか〜」
蘭が優しく声をかけながら着替えさせる。
ロンパースを着せて、くつ下をはかせて、
最後にそっとリボンを頭につける。
完成。
白いクッションに座らせると、
パープルのドットがふわっと広がる。
あなたの下の名前は両手をぎゅっとして、
「きゃっ!」
「……かわいすぎる。」
全員が静止。
「完全にラベンダーデイジーじゃん。」と栞月。
「モデルみたい!」とすず(年少)が拍手。
鼓(2歳)は隣にちょこんと座ろうとして、よろける。
「あなたのニックネーム、かわいいの!」
蘭はスマホを構える。
「あなたのニックネーム〜こっち向いて〜」
その瞬間、あなたの下の名前がにこっと笑った。
「今!!」
カシャカシャカシャ📸
ちょうどパパの桃奈が帰ってきて、ドアを開ける。
「ただいま――」
全員が振り向く。
「パパ見て!!」
桃奈は固まる。
「……天使いる?」
あなたの下の名前はパパを見つけて両手を伸ばす。
「ぱぁ!」
抱っこされると、紫のドットがふわっと揺れる。
ママの心が優しく言う。
「蘭、センスあるね。」
蘭はちょっと照れながら、
「将来スタイリストもありかな。」
あなたの下の名前はパパの腕の中でにこにこ。
10人姉妹の末っ子。
今日も家族みんなのハートを独り占め。
――蘭プロデュース、ラベンダーデイジーコーデ、大成功。
@笠原家

可愛い10女あなたのニックネーム
服を次女の蘭がコーディネートしてくれたよ!
天才!
#笠原家#コーディネート












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。