第29話

何か言ったらどう?
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2024/06/16 13:25
オランダ「なんや、お前生きとったん」








またしても昔の旧友に会ってしまった。
数分前_
『はぁ今日もいい天気ね。お洗濯がよく乾きそうだわ。』
日本「そうですね。そうだ、姉上終わったら休憩にお茶でもしませんか?」
『あら、良いわね!そうと決まれば早く終わらせましょ!』
ジリリリリ
日本「私が見てきます。姉上、洗濯物が終わったらお茶の準備お願い出来ますか?」
『もちろん!』
日本「ありがとうございます!それとお茶用のお菓子は冷蔵庫の中にありますので!」
『分かったわ!』
平穏。実に平穏だ。いや、今まで怒涛で忙しなかったからそう思うのだ。これが私の日常なのだ。
『お菓子〜♫お菓子〜♫』
さっき菊ちゃんが菓子のありかを言っていた所に行く。冷蔵庫を開け、それらしきものを手に取り袋の中にある物をこっそりと見ると、私の好物の桜餅や柏餅がそれぞれ入っていた。
『わぁ〜美味しそう…お茶をする前に味見しても大丈夫だよね!?』
ピンポーン
お菓子に手をだそうとしたとき玄関から呼び出しのベルが鳴った。私は片手をしまい込み玄関の方へと行く。菊ちゃんはまだ電話をしているみたいだった。
『はーい!』
ガラガラガラ
どうやら私は…






本当についていない。
Noside_
新緑の葉が音を立て騒いでいる。今日の天気は晴天で木陰は比較的に涼しく過ごしやすい。空は清々しいのにその下には黙ったまま口を閉ざした男女が対面で玄関前に突っ立っていて周辺の空気は澱んでいる。その気色と状況が対照的ということだ。沈黙が続くが、女の方が先に口を開く。
『何ですか?いきなり会った人にお前生きてるって失礼じゃないですか!?幽霊じゃああるまいし。』
オランダ「…」
『聞いてます!?』
オランダ「…」
『はぁ…』
オランダ「日帝…」
『え?あ…わ、私は!あなたの下の名前です!!日帝様ではございません。』
オランダ「何時までしらこいてるんや?お前は日帝、大日本帝国やろ?」
『で、ですから!私は日帝様ではございません!』
オランダ「チッまだ認めんか…ボソッそういう頑固なところも何も変わってないんやな…」
『へ?』
日本「ねぇ…あなたの下の名前さん!ハァハァ」
『日本さん!』
日本「オランダさん、こちらに来る時はあらかじめご連絡ください。急に来られるとこちらも客人のもてなしが出来ませんので…全く、ベルギーさんが心配なさってましたよ?」
オランダ「別にここにちぃーと用があって来ただけや。ついでにお前の所日本やし、ちょっと顔だそうと思おただけや。」
日本「そ、そうですか…ってそんな事今まで無かったじゃないですか!前の貴方なら、金と時間の無駄とか何とか言う人なのに…」
オランダ「…ハァー爺さんは面倒いわ」
日本「いきなり何ですか!確かに私は爺ですが、失礼ですよ!」
プンプン
オランダ「ハァー…」
チラッ
『ビクッ』
目と目が重なり数十秒の間2人は身体を動かすどころか言葉も発せなくなっていた。

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