第28話

平穏とは?
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2024/06/14 22:58
日本side
いつものように会議は収集がつかずに延期となった。どのような問題があり、どのように解決するのか?あるいはどのように方針を立てていくかよく分からなくなってしまった。結局振り出しに戻ることとなり会議なんて必要ないではないかと思ってしまった。ようやく終わると早々に荷物をまとめて家に帰った。
会議中も姉がどうしているのか心配で会議どころでは無かった。早くこの時間が終わってほしいとずっと思っていた。「帰りたい」この言葉しか頭の中にはなかった。自覚しているけれど自分は極度に姉が好きらしい。これがいわゆるシスコンというものだろうか?
ガラガラガラ
日本「ただいま戻りましたぁ~」
タッタッタッ
『おかえりなさい菊ちゃん!疲れたでしょう?会議お疲れ様ニコッ』
キャンキャン
『あっぽちくんもただいまですって』
あぁ癒される…落ち着く…私が唯一心を許せるこの場所は天国以上のものだ。ずっと願っていた。それが叶うことはないと思っていたが現実になった。世の中何が起こるか分からない。だからどうか、この幸せがずっと続いてほしいと願う。
日本「……。」
『菊ちゃん?』
日本「はい!え…あ…」
『だ、大丈夫?』
日本「大丈夫です!ただ、姉上が迎えにでてくださった事がうれしくて…」
『菊ちゃん…』
ガバッ
日本「えっ?あ、姉上、危ないですよ!」
『だって菊ちゃんが可愛すぎて!仕方がないもの!』
ギュゥーと思いっきり抱き締めてくれる姉の腕は前は随分と大きく感じたのに今となっては小さく思える。この小さな背中で大きな荷物を持って私たちを守ってくれていたと思うと涙が止まらない。
ギュゥー
日本「ボソッ必ず守りますあなたが今まで守ってきた大切なものを…」
『なーに菊ちゃん何か言った?』
日本「いいえなんでもニコッ」
そうだ、願ってるだけではすぐに奪われる。壊れてしまう。だから…守るんだ。争いはもう二度と起こってはいけないが、大切なものを守るためにはそれが理由で逃げてはならない。直に他の国も姉さんの存在に気ずくだろう。そうなると弟である私が姉を守り支えていく。次は自分の番だ、この幸せな一時をずっと続いていけるように。
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菊ちゃんも無事、世界会議を終えて帰ってきた。収穫はイマイチだったみたいだけれどほっとした。ようやく嵐は過ぎ穏やかな日常が戻ってくると思っていた。



















だけど、
オランダ「なんや、お前生きとったん」

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