第27話

君ってやつは!
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2024/05/26 11:37
これまでのあらすじ!
私、日帝こと本田あなたの下の名前は数週間アメリカさんのお宅にお邪魔してましたが(いや、無理やり泊まらせてもらいましたが。)この度無事に我が実家に帰ってくる事が出来ました(泣)
『はぁ〜やっぱり自分のお家は落ち着くわぁ〜……長かった、すんごく長かった。(アメリカ)観光はいいけれど疲れるわ。』
自室の畳みに転がりこれまであった事を順々に思い出す。
消えてしまったと思ったら時を経てまたここへ帰ってこれたこと、菊ちゃんに会えたこと、昔の旧友に会えたこと、それから……宿敵アメリカとまた出会ってしまったこと。先生中国と……思えば私には休息というものがこの数ヶ月無かった。だからだろうこんなにも煎茶で心が穏やかになるのは。菊ちゃんが帰ってくるまで私はのんびり過ごすことにした。
ピィーピィー
携帯電話が部屋中に鳴り響く。アメリカにわたる前に菊ちゃんに渡された便利な道具の1つ。当時は連絡手段として有線電話や無線を使われていたが、有線電話は電話線を引かないと使えないし、無線は使いやすいけれど傍受されやすいと何かと不便だった。だが今は各自家にというか各個人に電話があるのは何だか不思議な感覚だし、有り得ないことで正直頭の整理が追いつかない。だってこんなに小さくて薄いのに菊ちゃんの声が聞こえてくるんだよ?
ピィーピィー
『もぅ!誰なの?人がのんびりしているのに!って、あ、アメリカ!?』
携帯電話の表示されている名に固まる。
『どうしよう。帰るって言ってなかった…これって……私業務を放棄したことになるわよね!?会議をほったらかしにして自分はさっさと帰ったとなると…ヤバい…「our homeland is ignored!?(私たちの祖国がほったらかしに!?)」的なことをTime誌書かれるかも。かえって事態が大きくなるかもしれない…どうしよう。とりあえずあそこアメリカから離れることばかりだったから…おこ、られるよね……。』
※ここでちょっとした雑学。アメリカの歴史あるTime誌に日本人で最初に表紙になった人は東郷平八郎元帥らしいです。
ピィーピィー
ピッ
『はい、あなたの下の名前で…』
アメリカ「あなたの下の名前(カタカナ)~~!!君ってやつは!俺がどれだけ心配したと思っているんだい!?」
『は、はい?』
絶対怒られると覚悟してたのに予想外のことを言われ一瞬思考停止になる。
アメリカ「休憩時間に俺の部下から聞いたよ。帰りたいなら素直に言ってくれよ。それとも…俺のこと嫌いになったのかい…?」
『ボソッなんで…?』
アメリカ「ん?何か言ったかい?」














『なんで怒らないの?』
アメリカ「えっ?」
『あ、いや、何でもないです!!忘れてください!』
自分が何を言っているのか理解出来なかった。いや、アイツの一言目が以外というか…予想外というか…当てが外れたというか……何か自分でもよく分からなかった。
アメリカ「そ、そうかい?」
『えぇ、ところで会議はもう終わったのですか?』
アメリカ「あぁ!ちょうど終わったところさ!日本の奴も会議が終わるとすぐに帰っていったさ!」
『そうですか…』
アメリカ「そうだあなたの下の名前(カタカナ)。」
『はい?』
アメリカ「その…君が嫌じゃなければまたいつでも来てほしい。」
『は、はい?』
アメリカ「そのー…今回は俺が来て欲しいていったからさ…その無理したんじゃないかと思って…」
驚いた。まさか、アメリカが自分の行動を改めるなんて_
『確かに最初は少し(だいぶ)強引だなと思いましたが…』
アメリカ「うぅ、そうかい。」
『ですが行ってとても満足した旅になりました。それにこちらもアメリカ殿には大変ご迷惑をかけましたからこれでお相子ですね。』
アメリカ「あぁ!そうだな!!それじゃまたあなたの下の名前(カタカナ)!」
『はい、また…』
アメリカ「……あなたの下の名前(カタカナ)?どうかしたのか?」
『いえ、えーとこれってどうやって切るんですかね?』
アメリカ「…アハハ!!分かったじゃ俺から切るぞ!」
『すみません…』
アメリカ「別にイイぞ!じゃあまたな。」
『はい。ではまた』
ピッ
『はぁ~一気に疲れたわ~』
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アメリカ「……。」

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