第2話

疑惑
1,174
2022/03/08 12:38
_練習室_
ヨンジュン
ヨンジュン
1.2.34.おけ。
もう1回ここやってみよう
キュキュと5人の靴の擦れる音が鳴り響く。
特別ダンスレッスン…プロダンサーさん達がTXTに課題を作ってくれて、それをメンバーで共有しながらダンスの技術を上げる。

このレッスンは一年に2回ほどしか無い為、メンバーもいつも以上に集中をする。

正直、ヒュニンの誕生日にこのレッスンを決定したのはどうかと思うけど。
ヨンジュン
ヨンジュン
この課題…結構難しいな…
スビン
スビン
はぁはぁ…いつも以上に足上げますね…これ…
ヨンジュン
ヨンジュン
俺達をプロとして色々考えてくれた課題だからなぁ……
よしっもう一回通してみよう
ヨンジュン
ヨンジュン
1.2.34.5.678…1.2.34.5.678…
はいここで足上げるっ!!!
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
あっ…!!!!
後ろの方からドタッと倒れる音がした。


…?後ろ? 後ろには…
スビン
スビン
大丈夫!?ヒュニンカイ!?!?
ヨンジュン
ヨンジュン
大丈夫か…?足捻った?
後ろを振り向くと、即座にヒュニンカイに駆け寄るヨンジュニヒョンとスビニヒョンが居た。

ボムギュヒョンと僕も状況を理解するとすぐにヒュニンカイの元へ駆け寄った。
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
うっ…だ、大丈夫です…
ヒュニンカイの足首は赤く腫れ上がっていた。
ヨンジュン
ヨンジュン
捻ったなこれ。
よし、座って冷やしておこう。
全部終わったら病院行こ
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
大丈夫です…!
これぐらい全然…っ…
ヨンジュン
ヨンジュン
余計痛めたらどうするの?
それでもっと治療が長引いたらそれこそ
良くないでしょ。
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
っ………分かりました…
テヒョン
テヒョン
大丈夫…?
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
うん…椅子に座って見てるよ…
あんなさっきまで元気だったヒュニンカイが一瞬にして笑わなくなった。
テヒョン
テヒョン
…………
ヨンジュン
ヨンジュン
…ほら俺達は俺達で頑張るぞ〜?
ボムギュ
ボムギュ
…ヒュニンカイ誕生日なのに……
スビン
スビン
とりあえず、課題の分だけ終わらせよう?もう少しで終わるし…
ヨンジュン
ヨンジュン
はぁはぁ…よし、終わり〜!
スビン
スビン
お疲れ様〜
ボムギュ
ボムギュ
つかれたあああああああ
テヒョン
テヒョン
…大丈夫ヒュニン?
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
うん…!
お疲れ様、皆〜!…
テヒョン
テヒョン
…足治ったらまた踊ろう
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
うん…
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
全然…歩けるからまだ良かった!
僕、用事があるからもう行くね!
お疲れ様でした〜
テヒョン
テヒョン
あ、うん…
なんかあっけないな。
ヒュニンカイの後ろ姿を見て、少し切なく感じた。
もう少しサポートしておけば良かったかもしれない。

僕はそう思いながら事務所を出て近くのコンビニへ向かった。
テヒョン
テヒョン
ヒュニンに何か買おうかな…
飲み物がいいか…お菓子がいいか…


いや、あんな事が起きたんだ。どっちも買ってあげよう。
コンビニを出て、事務所に戻った時だった。
テヒョン
テヒョン
ん…?ヒュニン?
事務所の裏に向かうヒュニンの顔が一瞬見えた。
誰かと一緒だ。


用事……か。
僕はヒュニンの元へ向かった。





見つからないように壁に隠れる。
正直、こういうのは好まないけど…僕の中にある好奇心が抑えられなかった。
ヒュニンカイ
ヒュニンカイ
ごめんね。人にこんなとこ見つかったら大変だから…。
女の子
女の子
ううん。大丈夫だよ!
テヒョン
テヒョン
(?…女の子の声…?)

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