_練習室_
キュキュと5人の靴の擦れる音が鳴り響く。
特別ダンスレッスン…プロダンサーさん達がTXTに課題を作ってくれて、それをメンバーで共有しながらダンスの技術を上げる。
このレッスンは一年に2回ほどしか無い為、メンバーもいつも以上に集中をする。
正直、ヒュニンの誕生日にこのレッスンを決定したのはどうかと思うけど。
後ろの方からドタッと倒れる音がした。
…?後ろ? 後ろには…
後ろを振り向くと、即座にヒュニンカイに駆け寄るヨンジュニヒョンとスビニヒョンが居た。
ボムギュヒョンと僕も状況を理解するとすぐにヒュニンカイの元へ駆け寄った。
ヒュニンカイの足首は赤く腫れ上がっていた。
あんなさっきまで元気だったヒュニンカイが一瞬にして笑わなくなった。
なんかあっけないな。
ヒュニンカイの後ろ姿を見て、少し切なく感じた。
もう少しサポートしておけば良かったかもしれない。
僕はそう思いながら事務所を出て近くのコンビニへ向かった。
飲み物がいいか…お菓子がいいか…
いや、あんな事が起きたんだ。どっちも買ってあげよう。
コンビニを出て、事務所に戻った時だった。
事務所の裏に向かうヒュニンの顔が一瞬見えた。
誰かと一緒だ。
用事……か。
僕はヒュニンの元へ向かった。
見つからないように壁に隠れる。
正直、こういうのは好まないけど…僕の中にある好奇心が抑えられなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。