スマホを見ながら返したら、すぐ察したようだ。
と、タイミングを計ったよう、ノックの音が響いた。
静かに扉が開いて、ソフさんが入ってくる。
手にしていたのは、白いウサギの総柄で、柔らかな水色をした、大きめなハンカチのような布。
ジョングクの瞳がぱぁっと輝く。
ジンさんが驚くのも無理はない。
俺も同じ気持ちだった。
ジョングクが、照れたようににっこり笑った。
ソフさんは一礼して、音もなく部屋を後にした。
テーブルの上にウサギ柄の布を広げて、真ん中にランチボックスを置く。
訊けば、嬉しそうに頷いた。
四角い箱を一生懸命に包んでる姿は、ずっと眺めてられるほどに可愛い。
布の端をとり、ぎゅっと結ぶ。
結び目が耳のように立ち上がって、ウサギみたいになっていた。
ジンさんがまた拍手してる。
ジョングクがぶんぶん手を振ると、ジンさんも大きく振り返していた。
厨房を出て、自室に向かい廊下を並んで歩く。
ジョングクは、ウサギ柄の包みをだっこするように胸に抱えていて、その顔はどこか誇らしげだ。
足を前へ動かすたび、包みウサギの耳が、ぴょこぴょこと揺れていた。
部屋に入ると、ジョングクはそのままソファにちょこんと腰かけ、包みを膝にのせて待つ。
やけにそわそわしてて、思わず吹きそうになる。
答えたとたん、控えめなノックが響いた。
グレーの生地とブラウンレザーの配色で、上部はレザー紐でぎゅっと絞るタイプのリュック。学生の頃に使ってたものだ。
ジョングクは感嘆の声をあげながら、そっと中をのぞき込んだ。
レジャーシートは緑と白のストライプ柄で、水筒とタオルには、さりげなくウサギの柄が入っている。
またウサギ…まさかこれもか?と思っていると、ソフさんが小さく笑った。
ソフさんは頭を下げ、音もなく出ていった。
ジョングクはリュックの中に、そっと大切そうにランチボックスを入れる。
けどそのあと、何度も紐をゆるめては、中をのぞき込んで確かめていた。
その言葉に、ふ、と笑いが落ちる。
隣に座って、一緒にリュックをのぞく。包みの耳はぴょこんと立ったまま、中で静かにおさまっていた。
ジョングクがリュックを背負う。少しふらりとしたが、すぐに体勢を立て直して振り返った。



























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。