第11話

10 歯車
1,112
2024/03/26 11:00 更新


スマホは


あの時すぐに拾い上げなかったからか

落として割れてしまった部分から中に水が入ったのか

電源が入らなくなってしまった



でも


それもよかったなんて思ってしまう


きっと私は

目の前で言われてしまったら

もう耐えられないだろうから



言われたも同然のようなものだけれど


でもこれで

自分が会わないようにすれば


このまま終えられる




元々付き合ってと言われたわけでもなく


もう離してやれないという言葉を

都合の良いように鵜呑みにしていた自分が

バカだっただけだ










人は変わる





変わっていなかったのは自分だけで


好きだったのも自分だけ








先輩は優しくて

あれが優しさだったと言われたら

もう何を信じればいいのかわからないけれど



きっと

私に合わせてくれていただけ






好きだと言われることもなく

会いたいと言われることもなかったのに



なぜ気づかなかったのか









バカだな


元からか






何も成長していないなと思いながら


電源のつかなくなったスマホを

久しぶりに開いた机の引き出しにしまった












sm side
SM
SM
元からスケジュール管理なんてしてなかったじゃん
SM
SM
僕がスケジュール把握してヌナに伝えてたし別に問題ないよ
_
そうか?
今の時代にスマホ持たないなんて、
SM
SM
調べものも曲作りも
パソコンがあればできるし
_
…本当にいいのか?


ヌナのスマホは壊れて電源がつかなくなった

修理するか買い替えればとマネージャーに言われても


ヌナはただ首を振るだけだった
スンミナ…ごめんね
ありがと


あの日、

好きだと言った日





ヌナは覚えておいてと言った僕の言葉に


分かったとだけ言って

それ以上話すことはなかった


あの人が来たことを

ヌナは知らない



迎えに来たと伝えて

それでどうなる



ヌナを手に入れて

隣にいれることを当たり前のように


その位置に胡座をかいて

ヌナの気持ちを汲み取ろうともしなかったあの人が


許せなかった

ヌナのためになんて、


自分の気持ちはまた別だなんて

もう言うつもりはない








自分のために


自分の気持ちに正直になって





もう誤魔化すことなく


ヌナのことが好きだ

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