彼の背中には 引っ掻き傷や 痣などが あった 。
背中の中心には 2つ 翼があったであろう 穴のようなものが 、
とても 痛そうだった 自分まで苦しくなった 。
こちらを向いて 微笑む 、
『 大丈夫 ? 』
そう言って 私を1人残して 上がってゆく 。
「 そろそろ 寝ましょうか 、 」
あれから何も聞けないまま 時間だけが過ぎてゆく 、
1つのベッドに 2人で寝ることになってしまう
その中で 低く優しい落ち着いた声が 背後から聞こえる
『 あれは 僕が自分で 付けたものだよ 』
『 天使だからといって 虐められてた訳じゃないし 、 』
『 ただ、 君と近い存在になりたくて
取れない羽を 取ろうとしただけ 、 』
身体を 壁にぶつけたり 引っ掻いたり 傷付けたり 、
全部は 愛する人の為 なんだよ 。
こんな事 君には言えない 、
自分を責めてしまうだろう ?
『 おやすみ 、 良い夢を見てね 。 』
愛おしそうに 見詰めて 頬に手を添え 、
1つ息を吐いてから 眠りに着く 。
皆さんも 良い夢 見てね 笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!