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第8話

6話-名前-
327
2022/10/20 17:27 更新
7:00ー


~♪



軽やかなリズムの音楽が響く。

あなた
おっ...っと..
いつもより30分以上早いはずなのに、
音楽より先に目は覚めていた。

急いで音を消す。
あなた
...起こしてないかな..いてててっ...
この場所に慣れるには、もう少し時間が必要なようだ。


体を起こすのを諦めてシュガが寝ている方へ頭を向ける。
シュガ
シュガ
...。
目を細くしてこちらを見ているシュガ。
あなた
わっ、起こしちゃった?
ごめんよ。
シュガの目がほんの少し大きくなる。
あなた
おはようシュガ。
ちゃんと寝れた?
シュガ
シュガ
...。


何も言わずに見つめるシュガ。




少しの沈黙の間、ソラが泊まりに来た時の事を思い出していた。





シュガと出会うよりずっと前。





ー夜通しで彼氏の愚痴を聞いた日の...

次の朝。




  9:39-
あなた
...っん.....ぁあ~..
この広さに二人は狭かったか..と後悔。
少し体を起こして時間を確認した後。

ソラの方に目を向けると、もぞもぞと動き始めた。
ソラ
...んん~...
あなた
ありゃ..ごめん起こしちゃった?
ソラ
...んーんー..だいじょぶ...
あなた
おはようソラ。
眠れた?
ソラ
..んー..あなたおはよぉ~..。
ゆっくりと目を開けようとするソラ。
眩しそうにしている。

目元に運ぶ手。
静かに閉じる目。



小さく聞こえ始める寝息ー



シュガ
シュガ
..ミャァ
あなた
...あっ。
シュガの声で現実に戻る。

凛とした目でじっと見ている。




ー名前



そういえば自分の名前をシュガに伝えていない。
あなた
うんしょっと...
体を起こし、ソファの上に正座する。
あなた
ごめんねシュガ。
私、君の事シュガって名前勝手に決めて、散々呼んどいて..
あなた
自分の名前伝えないでいたよね。
あなた
ではでは...私は「あなた」です。
改めまして、これから少しの間よろしくね。
挨拶を終え、しばらくシュガの表情を見たが、
じっと見つめてくるだけだった。




時計を見て家を出るまでの時間を確認する。


7:10-
あなた
ん~...よし!
朝ごはんにしよう、シュガ!


立ち上がり、二人分の朝ごはんの用意をしにキッチンへ向かう。

あなた
...~♪
勝手に出てくる鼻歌。

歌は代り映えしないいつもの歌。

あなた
んー、もうちょっといろんな音楽聞いてみるか~..。
あなた
今日はー..
あなた
..っうし!これだな!
昨日シュガが食べた物と同じメーカーの、
違う味を取り出し盛り付ける。
朝ご飯の用意も終わり、シュガの元へ急ぐ。
あなた
はいっ、シュガ。
今日は食べれるかなぁ...
コトッ

ゆっくりと目の前に置く。

シュガはじっと見て、鼻を近づけた。


シュガ
シュガ
...
匂いを確認した後、こちらに視線を移す。
あなた
??
あなた
...あぁ、ごめんごめんw
私のは..っと...
小さく笑いかけ、ローテーブルに乗せた朝食に体を向ける。

いつも食べている場所とは違うため、座り方を変えながら高さを合わせる
あなた
よいしょっ..
よしっ。じゃぁ一緒に食べようか!
昨日残ったミートソースとチーズを少しパンに乗せて、
チンしただけの簡単なご飯。

インスタントのオニオンスープもつけてみた。

あなた
んー、食べきれるか?w
いつもは無関心な朝食。

何か少しお腹に入れればいいと思ってるぐらいの毎日だった。

チラッ


シュガ
シュガ
....
首を傾けて見上げているシュガ。

視線が合った。

動揺を隠すようにテレビの電源を付け、手を合わせる。
あなた
じゃあ、ご一緒にっ。
いただきます。
ゆっくりと瞬きをしたシュガは顔をご飯の方へ向ける。
あなた
(んんー見たいっ!見たいけど...見ないでおこう..)
テレビに視線の先を変え、ニュースを見ながら朝食を食べる。


世界的アイドルグループがコンサートー

映像と共に流れた音楽はアップテンポで心地よいメロディーだ。
あなた
あ、これ佐藤さんが好きだって言ってたグループだ。
小さく可愛らしい姿でデスクに並んでいる所しか見たことが無い彼ら。
実際の彼らは、一人一人カッコいい。

仲が良く楽しそうな一面、カッコ良い一面とコロコロと変わるMV。

見た目からは想像できない面白い動きをする人に、
フッと笑いが出る。



頭に残るサビのメロディー。
あなた
佐藤さんにオススメの曲聞いてみよ。

今日の天気はー


天気のお知らせをお姉さんが切り出す。

親切にマークをつけて説明してくれているのをよそに、
窓の方に視線を向ける。

あなた
今日は~...
天気の確認を口実にシュガを視界に入れる。
シュガ
シュガ
...モグ..モグ...
少しずつゆっくりと食べている。
口角が上がっているのが自分で分かった。
あなた
(食べてるー!!!よね??良かった~!)
次は....ー


爽やかなBGMに合わせて次のコーナーが始まる。

同じメロディーを口ずさみながら食事に戻る。


あなた
~♪
何かと理由をつけてはシュガの方に視線を向け、戻す、を繰り返した。

何度か繰り返していたらシュガと目が合った。
あなた
んっ!..んふふ~..汗
口の中のものを勢いよく飲み込んでしまった。

ゆっくり顔を戻し、急いでスープで流し込んだ。




様々なコーナーやニュースと共にゆっくり流れる時間。



7:48ー

あなた
ふぅ~..お腹いっぱい...
ソファに寄りかかり天を仰ぐ。

自然に時計に移る視線。
あなた
うん、順調順調っ。さて...
シュガの前の皿を見ると、残っているが確実に減っている山。
あなた
うんうん!昨日より食べれるようになってきたね!
良かった~!
あなた
よしっ!
二人の食器を片付け、準備に取り掛かる。
あなた
やっぱり誰かと食べるご飯はおいしいね。
ありがとうね。
水を入れた皿をシュガの目の前に置き、呟いた。
シュガ
シュガ
...。
ミャ。
じっと見つめた後返ってきた声に、笑みがこぼれる。
あなた
フフッ...また夜も一緒に食べようね。
静かに立ち上がり、準備を進める。


気づけば、丁寧になっていた化粧。
あなた
ぬっ..濃くなっちゃったかな...
んー、まっいっかw
髪も今日は言うことを聞いてくれる。
あなた
お~いいねいいね~♪
全てが整い、鞄を手にする。

ゆっくりとドアに向かい、部屋を出る前に一言。

あなた
じゃぁシュガ、行ってきます。
微笑み、静かにドアを閉め、家を出た。
シュガ
シュガ
…ミャァ
誰も居ない部屋にシュガの声が響いた。








8:30ー

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