あれから本当に暇な生活を送っていた。
豹馬はリハビリ生活で学校に来れず、
弱いチームメイトに演技し続ける日々。
それに豹馬が動けなくなってから、
マスコミはどうやらオレの事を注目し始めた。
走れない奴に用は無いということだろう。
時々、豹馬ば部活の様子を眺めたりしていたがオレは
声を掛けたりはしなかった。
強いて言うなら鰐間先輩が
喧嘩売りに行った時ぐらいだろうか。
そしてある日、豹馬がリハビリから戻って来た。
だが、あの豹馬が戻ってきたわけではない。
そりゃそうだ、今豹馬は
足に爆弾を抱えてるような状態。
あいつはもう全力で走れなくなっていた。
それを煽る鰐間先輩達を止めて、
オレは豹馬の方向を向いた。
そういやまともに話すのは
1ヶ月ぶりくらいだろうか。
そんな事を考えていても豹馬は何も発しない。
こういうタイプは嫌いなんだよな…
その言葉はオレが想像より低い声だった。
今思うと何処かで苛ついてたのかもしれない。
たかが怪我で人生終わったかのように振る舞う姿が。
実際、オレはそれで間違った。
豹馬とオレの違う点といえば
オレはあれから部活に行かなくなったと
いう点ぐらいだ。
オレはそう言い、豹馬の肩に手を置いた。
オレは歩いてコートから出ていく。
校門をくぐり、帰路を歩き出す。
最近のサッカーはつまらない。
サッカー部の連中はチームに
拘る弱い奴らばっかだし、
唯一面白かった豹馬もあの状態。
ああ、退屈に殺されそうだ。
____後に、その言葉が現実になるなんて
オレは知る由もなかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!