ベッドに横になり体温計を見ると37.8の数値が映し出されため息をつく。学校に行きたいとお母さんに言ったけど無理したらダメと学校を休むことになった。
一昨日くらいから何となく調子が悪かったけど、テスト期間に入り無理してしまったツケがまわってきたらしい。
中間テストまで5日しかないのにどうしたらいいのか…
かな子は地頭が良いからノートをとるなんて事絶対
してないし、他の子はクラスが変わってからあまり喋ったことないし頼むなんて申し訳ない。
再び布団に包まり、目を閉じる。
熱もあって身体が疲れていたせいか自然とうとうとしていった。
ピンポーン
チャイムの音で目を覚まし時計を見ると18時すぎていた。いつの間にかだいぶ寝ていたらしい。
こんな時間に誰だろう。お母さんもお父さんも仕事で帰ってくるのは20時は過ぎるし宅配が来ると言われた覚えもない。
寝癖を手ぐしで軽くなおしインターホン前の画面を覗いた。
画面にうつっていたのは同じクラスの豆原くん。
優しくて爽やかでクラスの人気者だけど人見知りのわたしはほとんど話したことがない。
一体なんで豆原くんが!?…てかこんな姿みせられないよ…
パジャマで寝癖も少しついた自分を思い出し慌てるも待たせてはいけないと思い少しドアを開ける。
そう言ってリュックから取り出したのは何枚かのプリントが入ったクリアファイルだった。
紙の右上にはふせんで[数学]、[古文]と書かれ中にはノートのコピーみたいだ。
ほとんど関わりのない豆原くんがどうしてここまでしてくれるんだろう。やっぱり人気者は違うなぁ…私みたいなあんまり目立たない人にまで優しいなんて
午後になると睡魔がきてうとうとするが何とか起きようと踏ん張っているところを見られていたなんて…穴があったらはいりたい…
それより豆原くんがわざわざ来てくれるなんて本当に申し訳ない…かな子に頼んでLINEで送ってくれればよかったのに
考えてみればパジャマ豆原くんの前に出るなんて私もだいぶ勇者だと思う。
まぁ豆原くんは良い人だからそんなことも気にしないのかな。
そう言って豆原くんは自転車に乗って帰っていった。少し顔が赤い気がしたけどそんなにすぐに風邪ってうつらないよね…
こうしてみんな豆原くんに恋するんだなぁなんて考えてながら部屋に戻る。
もらったプリントの1番後ろに
"お互いテストがんばろうね"と書かれていた。
いつの間にか身体がまた熱くなった気がしてニヤケながらベッドに戻った。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!