私、好きが怖くなってたんだ
それからなんとなく会話は弾まずに家まで着いた
家に入ると何もせずに部屋に戻った
ガチャ
部屋の扉を閉じると同時に涙が溢れ出た
ベチャ
吐瀉物が床を汚した
僕は…そっか…
これは「仮付き合い」なんだもんね
いつかは終わる…
儚いな…
涙で辺りは見えないし、過呼吸で息も苦しい
吐瀉物で当たりは汚れている
なにか足音のようなものがする
コンコンコン
ガチャ
それから呼吸を続けてだいぶ落ち着いてきた
ガチャ
お母さんは何も言わずに笑顔を見せて部屋から出た
それからすぐ、袋を持ってきて私の吐瀉物を片付け始めた
片付けながら話し始めた
ガチャ
昔から変わった人だとは思っていた。でも…
すごく優しくていいお母さんだと思う
でも…私の心が読まれてるみたいな時もある
今回も
怖い。それでも一緒に…
私にそう思えるのかな…
自室に置いてあったネクタイが見つかってしまった
怖い…
僕が僕らしくあるため…
なのに認めてくれない…
家での私はただの女の子。いや、不登校な女の子。
そう、女の子。僕は僕では無い。僕は「私」で居なければいけない
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。