第75話

錯覚。
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2024/11/07 15:27 更新


















俺は、、初めてだな、










そばでこの音を聞くのは。












同じ音が響いているこの部屋の中で




ふっかは、こうやって、俺の傍に居てくれてたんだ








今握る彼の手を二度と離さないよう、力強く、
彼の体温を感じた



今ふっかは、目を瞑っている















前の俺みたいに。

































___________
















叫ぶまま、必死に空中で彼を追いかけた

















伸ばしても届かないこの距離、もうすぐで下に、、





















頼む、届け、っ!!、もう離さないから!!


これで終わるんだ!!ふっか!!!






















遂に最後の力を振り絞って伸ばした、























空中でもう訳が分からないくらいの、勢いの中、



















彼の手が、俺の指先を触れた

















そのまま、ぐっと、彼の手を引いた




















そこから1秒も経たず、一瞬にして、















とんでもない音を立て、











荒い海の波へ打たれた

































強く打ち付けられる水面にはもう、




痛みなど感覚がなくなっていた





























とんでもない勢いは止まることなく、 水の中へ潜る俺達



























大きな沢山の泡がくすぐったいくらいにまとわりつく、


































既に、俺の腕にいる彼は、、目を閉じたままだった


















































背は高いくせに、






細くて軽い彼を、俺は、


































苦しみに耐えながらも、海の上まで、どうにか引っ張った































頼む、まだ間に合うからっ、



























渡辺
ぷはぁっ!!、、ふっか!!
深澤
、、





青白い顔して、全身濡れたふっかの肩を揺らした
















目は閉じたまま。

























先程のロボットのような硬い動きは無くなっていた








が、より人間味が増したことで



安心したかったところ、


































まるで、もう二度と目を覚まさないような




























そんな、彼を見て、胸が有り得ないくらいに



握りつぶされそうで。

































死んでしまったかのようで







































渡辺
おぃだめだってっ、、ふっかぁっ、、!
渡辺
目開けろよ!!!っ、、








叫んだってもう、収まらないこんな


屈辱的な気持ちを、



















どうにも回収できず、俺は、


























こいつをまた、、失うのかよ、、っ!、、






























渡辺
そんなのっ、嫌だよ!!!!





















泣きじゃくっても、どうにか陸につこうと頑張るけど、

























俺の力だけじゃ、こいつを、運べない































こんなとこで終わってたまるかよ!!!、







































渡辺
はぁっ、はっ、、だれかぁっ!!、
ふっか死んじゃうって、、もうっ、っ







 



どんどん冷えていく2人の体、、






















強く抱きしめるふっかの全身に

























もう温もりはなくて、













































苦しい、諦めたくないのに、っ


頼むよ、力を、っくれよ神様!!!!





















































渡辺
うぁぁあ゙あ゙あっ!!!!!!























































阿部
しょお゙たぁぁぁー!!!
渡辺
へっ、
渡辺
あ、べちゃん、























目黒
翔太くーーん!!!!





渡辺
れん、、がち、かよ、、っ、






信じられずに、また涙があふれる、



あいつらの声が、ちゃんと聞こえてくる、


































あぁ、おれっ、諦めてないんだ、


まだ、生きれる、、!っ


























































目黒
どうしよ、なんか掴むものとかっ、
目黒
、へ












荒い波の中、それ以上の水が弾く音がした














































目黒
?!うそ!、亮平くん!!!











波よりも荒いくらいに、飛び込んで泳ぎ始めたあべちゃん







































渡辺
はっ、うぁ、はや゙くっ、

























俺よりも、早く、ふっかを、



























目黒
無茶だって!!、
うそだろまじか、
目黒
俺まで飛び込んだら、元も子もないっ
なにか、っ、












阿部
ぶぁっ!、、翔太ぁ!、ふっかっ!!















泳ぎながら微かに視界に入る、




















青白いふっかが、もう危ない状態だってことに
















あべちゃんはスピードが上がった























渡辺
あ、べちゃ



















懸命に腕をかき、弾く水を遮って










確実に近づいて行くあべちゃんは
































ついに俺らの腕を掴んで、引き寄せた


























そしてすぐに、俺らをまとめて抱きしめた


















阿部
はぁっ、よかった、!!っ、生きてたっ









渡辺
あべちゃん、、ちょ、えぐいって
渡辺
まじないす、、もうやばい、ふっかが、っ













阿部
ふっか!!、なに寝てんだよ!!、っ
















こんな危険な状態になってしまうなんて











想像もしてなかった

















本当に寝ているだけだと、信じたい、























俺まで、涙止まんなくなるって、





















早く戻んないとっ、!!、





























阿部
翔太!!バタ足、!
少しでいいから頑張って!!、


渡辺
俺はっ、大丈夫!、!、、
ほんとにっ、ありがとう、












阿部
いこう、っ
渡辺
んぁ゙あっ!!、







まだ体力が残ったあべちゃんは、




リードして俺らを引っ張って泳いでくれた






























俺は、正直数十分くらいバタ足してて、

















じゃないと流されるから、

































だから、もう足やばくて、








ふっかは軽いけど、沈んでいくのは何故か



ふっかのほうで



















そこは機械のような何かが、まだ残っているようで、

























唇までもう青紫なふっかを、持ち上げるのに必死で

























あべちゃんも頑張ってくれてるけど、


俺ら2人の負担は流石に大きいもので、









さっきよりもスピードがガクンと落ちていた



















これじゃ、みんな力尽きちゃう、
























お願いだからっ、波、静まってくれ





























そんなことを思ったって、世間は甘くない








































静まらない波の勢いに、俺らは、まんまと流される

























阿部
ぶはっ!、や、やばぃ、
このままじゃっ、
















まだ陸までこんなにあるのに、、
















俺は、ふっかをぎゅっと抱きしめた、













握りつぶしてしまいそうなくらい、





もう、死んでも離さないくらい










強く、















































渡辺
!!、れんっ、







目黒
掴まって!!、急いで!
阿部
!!








陸とのあと少しの距離に、絶望する間に、


今にも沈みそうな俺らの前に、

















1本の、とてつもなくでっかい木が


俺らの視界を覆ってしまうように現れていた


















目黒
!!っ、が、んばれっ!、








大木から崩れ落ちた、大きな枝を、


必死に掴んで離さず、俺らに向けている蓮の姿















とても辛そうだった、


血管は浮き上がり顔も真っ赤





こんなに大きな枝を普通持って居られるはずがない

















阿部
め、ぐろくっ、!!、



阿部
翔太、こっち!、、っ、




























渡辺
っ、ふっかがっ!、、



何故かどんどん重くなっていく、ふっかの体は、

もう俺には耐えられないくらいになっていて




や、ばい、このままじゃ、っ


連れていかれるように海の中にのみ込まれていく








渡辺
ふっかっ゙ぁ!!!っ

























阿部
?!、えっ、翔太!、ふっか!?、




































気づけば












俺らは、海の中へ、






















落ちていった




























焦っていた、死んでしまうのかと、















一瞬俺は、未来をなくした気がした
































目を開いたって、ぼやけている視界は、



















もう俺らの、最後なのかと























あぁ、もう、、だめ、か





























苦しい、もう、、っっ




















俺は、諦めたくなかった、








希望を、、信じていた、はずなのに、

















こんなにも、、悲劇というものは、、







































現れるのだろうか



































感じ無くなっていた、































もう何も、感じたくないと、、












思ってしまっていた







































静か、だ、






























目を力を込めて瞑れば、




















よく聞こえてくる、海の、、音































海って、、こんなに綺麗だっけ、












荒い波がたっているとは思えない静けさ、


























意識が遠のいている




























そのせいか、


















































何も、


























聞こえない、、、?、




















































“ 俺 は 、 こ こ だ よ、”






















“し ょ ー た っ、迎 え に 来 た よ ”








































っ!、













瞼の裏に映った一瞬の光




















あの、綺麗な声と共に聞こえた、














いつものふっかは目の前に、、、。














明るい光のように。



























俺はそっと、目を開いた











この数秒で離れた手、彼はさっきよりもゆっくりと、





下に沈もうとしていた





















離さないって決めたのに!!!っ、





















渡辺
、っ!!!!







あんなに辛かった体が、嘘のように動き始めた












さっきとは違った、







彼は俺を迎えてくれるように、






引っ張っていくように、















俺の胸に、飛び込んで来た

























俺は、錯覚を見ていた













そのくらい、俺も彼も体が軽くなっていた









濁る視界、の中見えた、












これは、幻覚か

















































目は、












うっすらと、開いていたか











































まるで水のように動く彼は、俺を見た



























儚くて消えてしまいそうな、体を寄せ、










































































そのまま流れるように






































俺にキスをした。




























































彼は、笑っていた。





















































































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