鳴き声…?
炎吐きながらでも器用なんだね
そう思いながら、おそるおそる目を開ける
すぐ目の前に、魔法の杖が見えた
いつの間にか後ろにマレウスさんが立っていて、杖を持っていない方の腕を私に回してくれている
辺りには私を囲うようにして空中に漂う半透明の壁みたいなのが3枚
横を見るとこちらに手を向けているイデアさんとオルトさん
あれ?さっきまで普通に喋ってたよね?いや、喋る狸も猫もおかしいけど……ッ!
…怖い
きっと、私もあのムチで叩かれるんだ。
何度も何度も、家で痛い思いはしたのに、私がいつもダメな子だから怒られる。
痛いのは慣れたはずでしょ、だから…体、震えないで。震えてるのが気づかれたら、もっと叩かれるから
使い魔なんて聞いた事も無いけれど知らなくて怒らせた私が悪い。だから、早く謝らなくちゃ…早く、早く……
マレウスさんに肩を抱かれて、建物の中に入る
そんな声が聞こえた後に、イデアさんとオルトさんも後ろを歩いてくるのが分かった
そ、それは
《》の会話はタブレットで話してる事です。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。