後悔とやるせなさが込み上げながらも
ただひたすら、ハンさんの元へ走った。
会場の中へ入ると、さっきよりも人が増えていて
人混みを掻き分けて、来た道を進んで行った。
走って行った先には、
ちょうどランウェイの袖に入ろうとしているハンさんと
ハンさんの背中に向けて刃物を振りかざす人の姿があった。
驚いた様に一瞬振り向いた女を背後から抱え込み
床に投げつけた。
女は床に押さえつけられていてもなお、刃物を強く握り振り回した。
刃は、私の腕や顔をかすめていく。
放心状態で突っ立っているハンさんの手は微かに震えていた。
ハンさんはぴくりと肩を揺らし、
そのまま袖へ向かって走って行った。
意味深な言葉を残した女はその後すぐに大人しくなり
観客の誰かが呼んでくれたであろう、警備員と警察によって連れていかれた。
ぽつんと1人残された後ふと思いつき、
そのまま自分もランウェイの袖へ向かった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。