第7話

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2026/02/27 09:44 更新






 『 え … !!
 本当 ?嘘じゃないよね ?』




死柄木「本当だ」




 『 ~ッ!!!!!』





 喜びが堪えきれず 、
 ギュッと下唇を噛む 。



 何時もなら 喜びを表に出さぬよう
 平常心にならないと 、と感情を押し殺していたが

 緩みきった口元を隠す必要はもうない 。




 背伸びして 弔くんの顔に付着した手を
 そっと外した 。



 完全に虚を突かれたのか
 憎悪とほんの少しの驚きが入り交じる朱紅色の瞳 。


 至近距離で見るその瞳には 、
 愛おしげな表情を織り成す私の顔が
 はっきりと反射していた 。









 不意に 渇いたリップ音が木霊する






死柄木「 ッは ?」




 『これで 、契約成立ね』







 彼の唇は 冷たくて少しカサついていた







 しゅるしゅると私の左手の薬指から
 赤い糸が現れる 。


 それは 素早く弔くんの手を目掛けて伸び
 彼の左手の薬指に絡みついた 。



 運命の赤い糸 。

 だが それが2人を繋いだのを認識すると
 焦げた砂糖のような香りを残して
 瞬く間に消えてしまった 。




 





 『これしかない …

 弔くんがガッツリしたのが食べたいのなら
 今から私が作るけどどうする? 』



死柄木「コレでいいよ

というよりオマエそんなキャラだったか ?
随分口調変わってるけど 」




 『あれは 親にこう喋れって言われてて …
 あっちの方が好みなら喋り方戻すよ ?』




死柄木「 …いや そのままでいい」






 突然 腹減った と言う弔くんの為に
 机のある別室へと移動し 、

 信者達へと用意されていた上生菓子をだして
 ゆっくりと雑談を勤しむ 。



 季節外れな桜を形どった練り切りは
 来客用だから高級品のはずだけど …

 弔くんの口には合わなかったみたいで
 眉間にシワが寄っていた 。




 だけど 文句を言うこともなく食べてくれる 。









死柄木「俺の顔になんかついてンのか ?」



 『何もついてないよ ?
 ただ 見つめてただけ 』





 頬杖をつき ボーッと見つめていると
 視線に気づいたのか自分の顔を指さす 。


 素直に思いを伝えると 、彼はピタリと固まった 。
 


 どうしたのかな ?と思う間もなく
 また動きだしたが崩れた桜の花びらの一部を
 フォークに指すと






死柄木「ん 。」



 『もがッ
 



 ぶっきらぼうに呟いて
 私の口にフォークを突っ込んできた 。


 反射的に噛むと フォークも強く噛んでしまったようで
 甘さの中に鉄の味が混ざっていた 。






 『 、 突然何の真似 ?』





 美味しく飲み込んだ後 、
 私の反応が面白かったのかくつくつと笑う弔くんに
 頬を膨らませて見せる 。






死柄木「あ?何だっていいだろ 。
まァ強いていえば … 餌付けか ? 笑」





 フグみてぇだな とグイッと片手で私の頬を潰して
 不敵に笑う彼の笑みに 思わず見惚れた 。



 私はこれくらいで顔を赤らめるほど
 初心ではないので 、
 唯間抜けズラを晒す羽目になったが …


 突然何のつもりだろ







死柄木「愛すってコレであってンのか ?
個性を使うためには必要なんだろ」




 『あ 、そういう …
 わかんないけど違和感すごいからやめて』





死柄木「文句の多いヤツだな」






 そう言って私の頬から手を離す 。
 

 あれ でも弔くんのゲージ ほんの少し溜まってる 。
 じゃあ あってたのかな … ?



 ねぇ 、と口を開こうとした時






母「あなた !! これはどういうこと!?!?
説明しなさい !!」





 邪魔が入った 。





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