第2話

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2019/01/17 10:54
廉
あ、かな。
今日一緒に帰ろうや!
かな
かな
あ、うん!
帰ろう。
私たちはお互い家も近かったし
一緒に帰ることが多かった。

私は廉くんと一緒に帰ることが
本当にしあわせだった。
かな
かな
(いつも帰るの廉くんから
誘ってくるし
もしかしたら廉くんも
うちのこと…♡
ってそんなわけないか!笑)
こんなに仲良いんだから…

って私は淡い期待を

少しだけ抱いていた。
廉
あのさ…
かな
かな
うん?
廉
かなにやから
言えることやねんけどさ。
かな
かな
え、なになに?笑
廉
実は俺…
好きな子おんねんやん。
かな
かな
え…
私に衝撃が走った。
かな
かな
だ、誰…?
廉
同じクラスの、
みゆやねんけど…
かな
かな
そ、そうなん…や。笑
廉
うん。
かな
かな
(私は廉くんにとって
ただの友達やったんか…)
そう表情に出そうになったけど

廉くんに悟られたくなかった。
廉
何か結構優しくてさ。
かなはみゆと仲ええん?
かな
かな
え?
あ…あんまり
喋ったことはないかな。笑
廉
そうなんや。
かな
かな
うん。
廉
かなはおるん?
かな
かな
え…?
廉
好きな人。笑
かな
かな
"実はうち、
廉くんのことが好きやねん。"
そんなの言えるわけない!

そんな空気読めないことして

廉くんに嫌われたくない。
廉
ん?
かな
かな
いや…今は特にそういう人は
おらんかな。あはは!
廉
あーそうなんや。
かな
かな
うん。
廉
恋したら楽しいで?
毎日。
かな
かな
そうかなぁ…?笑
そんなん言われなくても

わかってるよ。

だって毎日私は廉くんに

恋してたんだから。
廉
あーほんでさ。
昨日塾のテストでさ…
廉くんはさっきと変わらず

喋ってくれる。
かな
かな
…あはは。
私と廉くんの微妙な距離感。

廉くんに好きな人がいるって聞いて

時間が止まったみたいに感じた。
廉
かなと喋ってたら
ほんまおもろいわ!
でもそんなこと言うから

嫌いになんかなれないんだよ…
廉
…笑
となりでニヤついてる廉くん。
かな
かな
(みゆのこと考えてんねんやろな…)
私はそんな廉くんを

見てられなくて

すこし歩幅を縮めて歩いた。
廉
あ、ついた。
ほんならここで。
かな
かな
う、うん。
廉
また明日な。
かな
かな
うん…バイバイ。
ガチャ…
かな
かな
ただいま~。
かな
かな
あー!
もうわからん!
私は部屋に入った途端

ベッドにダイブした。
かな
かな
うちの気持ちは
どうしたらいいん!
自分の中で大きくなってしまった

私の廉くんへの気持ちは

行き場をなくしてしまった。
かな
かな
勇気出して
いっぱい話しかけて
いっぱい笑わせて
やっと距離縮まったと
思ってたのに。
そんなこと思ってるのは

私だけなのかな。

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