第8話

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2026/01/03 11:01 更新
先生
すまない、今日も頼んでいいか?



放課後、いつものようにフィンランドくんへのプリントを渡すのを頼まれた。


まぁ、いつものことだ。


慣れている。


後ろから感じる気配は放って置いて、私は足早にフィンランドくんの家についた。


玄関のチャイムを鳴らせば、眠たそうな彼が出てきた。


フィンランド
…あぁ、あなたか…入れ。



フィンランドくんの家の中は木の匂いでいっぱいだ。


心地よくて、フィンランドくんらしさがある。


あなた
そう、きいて。
今日ね、北朝鮮くんが…



そう、話そうとした瞬間だった。


ドサッと音がして、視界が急に入れ替わった。


フィンランド
なんで他の男の名前だすんだよ?



さっきの眠たそうな顔はどこへ行ったのやら、冷酷に淡々とそう言った。


あぁ、ここソファの上か。


押し倒されてるんだ、なんて呑気なことを言えるまもなく、フィンランドくんは距離を詰めてくる。


あなた
フィンランド‥くん?
フィンランド
あ、そうだ。
お腹すいたよな、コレあげる。



そう言って、フィンランドくんはタルトのようなものを皿から1つ取ってかじった。


フィンランド
食べて。
……。間接キス、とか考えてる? ……そんなに赤くなっちゃってよ、……なぁ、口開けて。……嫌?
それとも、俺に無理やり食べさせられたいのか?



逃がさないと言わんばかりの瞳に射抜かれ、震えながらタルトを口に含んだ。


すると、フィンランドくんが私の唇をなぞった。


触れられたところが、すごく熱く感じる。


フィンランド
……。いい子。……でも、俺が食べたところ、ちゃんと味した? 



ニヤニヤ笑いながらフィンランドくんが問う。


満足そうに口角をあげ、余裕そうに私を虐めてくる。


フィンランド
……ふーん。あなたって、意外と大胆なんだなw



私が顔を赤くしたのを見て、フィンランドくんはいった。


その時、外で大きな物音がした。
日本
不潔です!!純粋なあなたのニックネームになんてことをーー!!!



窓の外で大きな声でさけんでいる日本だった。


全部見られていたのか、と恥ずかしくて私はもっと真っ赤になった。


フィンランド
……あーあ、邪魔された。
フィンランド
また明日、な?あなたのニックネーム



至近距離で言われ、私は一目散に駆け出した。


フィンランドくんは今頃私を侮辱しているんだろう。ムカつく!


夕焼けが私の顔をもっと赤くしている気がした。


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