放課後、いつものようにフィンランドくんへのプリントを渡すのを頼まれた。
まぁ、いつものことだ。
慣れている。
後ろから感じる気配は放って置いて、私は足早にフィンランドくんの家についた。
玄関のチャイムを鳴らせば、眠たそうな彼が出てきた。
フィンランドくんの家の中は木の匂いでいっぱいだ。
心地よくて、フィンランドくんらしさがある。
そう、話そうとした瞬間だった。
ドサッと音がして、視界が急に入れ替わった。
さっきの眠たそうな顔はどこへ行ったのやら、冷酷に淡々とそう言った。
あぁ、ここソファの上か。
押し倒されてるんだ、なんて呑気なことを言えるまもなく、フィンランドくんは距離を詰めてくる。
そう言って、フィンランドくんはタルトのようなものを皿から1つ取ってかじった。
逃がさないと言わんばかりの瞳に射抜かれ、震えながらタルトを口に含んだ。
すると、フィンランドくんが私の唇をなぞった。
触れられたところが、すごく熱く感じる。
ニヤニヤ笑いながらフィンランドくんが問う。
満足そうに口角をあげ、余裕そうに私を虐めてくる。
私が顔を赤くしたのを見て、フィンランドくんはいった。
その時、外で大きな物音がした。
窓の外で大きな声でさけんでいる日本だった。
全部見られていたのか、と恥ずかしくて私はもっと真っ赤になった。
至近距離で言われ、私は一目散に駆け出した。
フィンランドくんは今頃私を侮辱しているんだろう。ムカつく!
夕焼けが私の顔をもっと赤くしている気がした。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。