皆は童話の続きが気になったことはないかな
『めでたし、めでたし』って終わる物語にもその中で生きる人の人生はある
お話が写真だと考えてみると分かりやすいかもしれない
綺麗な景色の外側のその後はそこにいた人にしか分からない
そこにいる人がいる限り……絶対に“続き”はある
ゆっくり歩いていき小さい気の箱の前で止まる
ふたを開けて中を覗き込むすると何枚かのチラシの中に本があった
「やったー!!のあさーん、えとちゃーん!届いたぁ!」
そういって、うきうきで駆け回る仲間の姿をよそに
チラシの中身を追っていく
いつも通りのチラシをパラパラ見ていると
はらりと白い何かがチラシの間から抜け落ちて足元を舞う
周りに障害物がないことを確認してから
屈みこんで、手紙の内容をよく見ようと手を伸ばす
ジ、ジジッ……
なんだ、今の
一瞬、何かが見えた気が……
引っ込めかけた手を伸ばし
そっと手紙に触れる
先程の事を思い出したのに気づき
頭を振りながら、指に挟み込んで拾い上げる
地面に着いたズボンを払いながら
手紙を彼女の手の上に置いて、内容を伝えた
そこは、普通体調悪いとかじゃないのか
心の中で突っ込みながら、首を振る
そう、俺が感じたあれはただの気のせい……
そのはずなのに……
だからなのか、分からないけど
そんなことを考えていると
俺は自分でも気づかないうちにいつの間にか早歩きになっていた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!