【皐月レイside】
僕がご飯を作ろうとして
フライパンを取り出した
そして右手に持ち替えた瞬間。
僕の手はフライパンを掴めず
そのままゆっくりとフライパンは落ちていく。
ゆっくりだとは思わないほどの
ガシャン
と大きな音。
僕はフライパンを
落としたことよりも
手に力が入らないことがショックで
僕は頭の中で''隠さなきゃ。''
それだけが頭に残っていた
そしてフライパンを拾っていると
なんて寝起きのマナくんが
キッチンまで来てくれた
僕は笑顔で
なんて言うと急に
目がパチッと開き
鋭い口調で
そう言われ僕は食い気味に
僕は手を後ろに隠そうとすると
それすらも動かなかった
その時ずっと痺れていた足も
ガクッと力が入らなくなり
僕はその場に座り込んでしまう
そういうと僕を抱き上げて
そのままソファーまで連れてってくれた
そして僕の右足を持ち上げると
パッと離した
僕の足はだらん、と
そのまま落ちた
そして動かそうとすると
動かずマナくんはそのまま
僕の手をとって
先程と同じように
手をパッと離した
結果は足と同じだった
そして少し経つと
みんなが起き始めた
僕は首をただ横に振った
そう言われて僕は
立って部屋へ逃げようとすると、
バタンッ
僕は部屋まで行くことも出来なかった。
そう言われ僕は
やむなく了承した
朝ご飯を食べ僕らはみんなで病院へ向かった
医師に昨晩の頭痛と
朝の足の痺れ、そして
手足に力が入らないことを伝えた
すると、医師の目つきが変わり
すぐにCT/MRI検査をすることになった
検査が終わり診断を聞きに
みんなで部屋へ入ると一言目は
そんな言葉だった。
僕の頭はその言葉で真っ白だった。
そのまま病室へ運ばれ
点滴、心電図モニターをつけられた。
周りの看護師の声がよく聞こえた
まだ若いのに、
可哀想ね、
そんな僕を哀れむ声ばかりだった。
僕はそんな冷たい空気の中
みんなを待っていた。
そして、沢山の足音は何故か冷たく
でも病室の前で少し止まったと思えば
みんなは僕を安心させるような顔で
入ってきた。
僕はそんなみんなに
「わがまま言ってごめんね」
そう言いたかったのに
なんて言葉が詰まり
僕はもう声を出す勇気すらも
無くしてしまった。
すると
なんて、思いもしてなかった言葉を
告げられた
僕はもう全て怖かった。
世界が明るく見えた瞬間
僕はまた大きな闇に襲われる
だから僕は決めた。
僕の太陽に全て委ねてしまおうと
そういうと、
そう言われ僕は
泣きそうな感情を押し殺して
笑った
みんなは、泣きそうになりながらも
医師と話して、全ての紙に
サインをしていたり
事務所に連絡してくれていたり
僕のせいで申し訳ない
そう思いながらも
みんなの為に生きなきゃ、
そう思った。
手術は次の日に
行ってもらえることになり
僕はみんなと別れたあと
看護師さんに紙とペンを借りて
左手の汚い字で
遺言書を書いた。
それは死ぬつもりなのではなく
死んでしまった時に
家族にお金が渡るのが嫌だから。
そして、もう今の僕には言えない
愛してるを伝えたかったから。
そしてその夜看護師さんに
僕が手術室に入ったら
みんなに渡して欲しいと頼み
僕は次の日みんなが来ると言うので
みんなが来るのを待っていた













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。