第74話

#53/今日だけ…
82
2025/10/13 11:00 更新
【皐月レイside】

僕がご飯を作ろうとして

フライパンを取り出した

そして右手に持ち替えた瞬間。

僕の手はフライパンを掴めず

そのままゆっくりとフライパンは落ちていく。

ゆっくりだとは思わないほどの


ガシャン


と大きな音。

僕はフライパンを

落としたことよりも

手に力が入らないことがショックで


僕は頭の中で''隠さなきゃ。''

それだけが頭に残っていた

そしてフライパンを拾っていると
緋八マナ
…レイ、?
どしたん、?
なんて寝起きのマナくんが

キッチンまで来てくれた


僕は笑顔で
皐月レイ
ちょっとドジって
フライパン落としちゃって!
なんて言うと急に

目がパチッと開き

鋭い口調で
緋八マナ
…そんな笑顔見せて、
何か隠したいことでもあるんか、?
…手、力入らんとちゃうんか?
そう言われ僕は食い気味に
皐月レイ
ッ違うよ??
ほんと寝起きだからさ!
緋八マナ
さっきお風呂はいっとったやろ。
手見せてみ
皐月レイ
…。
僕は手を後ろに隠そうとすると

それすらも動かなかった

その時ずっと痺れていた足も

ガクッと力が入らなくなり

僕はその場に座り込んでしまう
緋八マナ
ッ…。大丈夫か、?
皐月レイ
ッ…グスッ、
心配かけたくないだけなのに…。
緋八マナ
ッ…よしよし。大丈夫やからな。
右足と右手であっとる?
皐月レイ
うん…。
緋八マナ
一旦ソファまで連れてくからな
そういうと僕を抱き上げて
そのままソファーまで連れてってくれた

緋八マナ
足触るな?
そして僕の右足を持ち上げると
パッと離した

僕の足はだらん、と
そのまま落ちた
緋八マナ
ッ…右手貸してくれるか?
そして動かそうとすると

動かずマナくんはそのまま

僕の手をとって

先程と同じように

手をパッと離した

結果は足と同じだった

緋八マナ
…朝起きた時
なんかあったか、?
皐月レイ
…ずっと痺れてた。
緋八マナ
そうやったんか、
星導ショウ
…おはようございます。
緋八マナ
るべおはよ。
レイやっぱし、
アレかも知らん。
星導ショウ
ッ…早く病院連れてきましょう。
皐月レイ
ッ…い、いや!やだ!!
星導ショウ
そうは言ってもッ!!
貴方の命に関わるんですよ!?
皐月レイ
…今日1日。
今日1日だけは、久々に
みんなでゆっくりいれる日だから。
緋八マナ
…あー、そうやったな。
星導ショウ
…それじゃあ、明日。
明日は絶対病院行きましょう。
でもみんなには話しますからね
皐月レイ
…わかった。
そして少し経つと
みんなが起き始めた

伊波ライ
おはよ〜!
今日朝ご飯は〜?
皐月レイ
…ッ。
緋八マナ
俺が作っとるよ!
焼き魚とお米と味噌汁!
あと漬けもんもあるで!
伊波ライ
…レイどうかしたの、?
小柳ロウ
おい、星導。
星導ショウ
わかってますよ、
今はとりあえず約束なんです。
宇佐美リト
なにがあった
皐月レイ
フルフル…
僕は首をただ横に振った
緋八マナ
…レイ、右の手足
動かんねん。
叢雲カゲツ
え?それやばいんとちゃう?
佐伯イッテツ
早く病院に!!
そう言われて僕は
立って部屋へ逃げようとすると、


バタンッ


僕は部屋まで行くことも出来なかった。
赤城ウェン
レイくん。
皐月レイ
…もう、嫌だ。
星導ショウ
今日、みんなが久しぶりに
家に集まってるじゃないですか
伊波ライ
そうだったね
緋八マナ
だから、家に居りたいんやって。
…みんなはどう思う、?
小柳ロウ
いや、ダメだ、
皐月レイ
ッ…。
宇佐美リト
気持ちはわかる、
けど命に関わるんだよ。
俺ら一緒に着いてくから、
行こう。
皐月レイ
片手片足なんて、
まだ平気だよ!!
もし、このまま入院になったら
またみんなと会えなくなるッ…。
小柳ロウ
もし、それで手遅れになったら
もう俺らはお前に会えないんだぞ。
そう言われ僕は

やむなく了承した


朝ご飯を食べ僕らはみんなで病院へ向かった

医師に昨晩の頭痛と

朝の足の痺れ、そして

手足に力が入らないことを伝えた


すると、医師の目つきが変わり

すぐにCT/MRI検査をすることになった


検査が終わり診断を聞きに

みんなで部屋へ入ると一言目は
病院の先生
來生さんは脳梗塞の可能性があり
一刻を争います
可能性として、数ヶ月前のひき逃げで
傷を負っていた可能性が高いです。
見える部分に集中しすぎたこちらに
責任があります。
そんな言葉だった。

僕の頭はその言葉で真っ白だった。

そのまま病室へ運ばれ

点滴、心電図モニターをつけられた。


周りの看護師の声がよく聞こえた


まだ若いのに、

可哀想ね、


そんな僕を哀れむ声ばかりだった。


僕はそんな冷たい空気の中

みんなを待っていた。

そして、沢山の足音は何故か冷たく

でも病室の前で少し止まったと思えば

みんなは僕を安心させるような顔で

入ってきた。


僕はそんなみんなに

「わがまま言ってごめんね」

そう言いたかったのに
皐月レイ
わ…が
なんて言葉が詰まり
僕はもう声を出す勇気すらも
無くしてしまった。

すると

伊波ライ
…レイくん。
手術受けてくれる、?
なんて、思いもしてなかった言葉を
告げられた
緋八マナ
後遺症は残るかもしれん、
けど手術さえすれば、
命は…助かる。
星導ショウ
正直に言うと、
手術を成功すれば、の
話ですけどね。
僕はもう全て怖かった。
世界が明るく見えた瞬間
僕はまた大きな闇に襲われる
だから僕は決めた。

僕の太陽に全て委ねてしまおうと
皐月レイ
…み、んな、に。
ゆ、、ね…る。
そういうと、
宇佐美リト
変わってやれなくてごめんな。
赤城ウェン
何があっても
僕らがついてるからね
そう言われ僕は
泣きそうな感情を押し殺して
笑った

みんなは、泣きそうになりながらも

医師と話して、全ての紙に

サインをしていたり

事務所に連絡してくれていたり


僕のせいで申し訳ない

そう思いながらも

みんなの為に生きなきゃ、

そう思った。

手術は次の日に

行ってもらえることになり

僕はみんなと別れたあと

看護師さんに紙とペンを借りて

左手の汚い字で

遺言書を書いた。

それは死ぬつもりなのではなく

死んでしまった時に

家族にお金が渡るのが嫌だから。

そして、もう今の僕には言えない

愛してるを伝えたかったから。


そしてその夜看護師さんに

僕が手術室に入ったら

みんなに渡して欲しいと頼み

僕は次の日みんなが来ると言うので

みんなが来るのを待っていた

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