「燐さんの部屋を決めなきゃですよね」
屯所で暮らすとなれば当然燐の部屋が必要だ。
しかも、平隊士達には当分の間見つかってはならない。
「今空いてる部屋あったか?」
土方が近藤に聞いた。
「どぉだったかな?
他の隊士達も居るからな……」
困ったなぁと年上三人は考え込み始めた。
「相部屋というのはどぉです?」
何を馬鹿なことをとその場に居た者達は思っただろう。
「お前なぁ、男と相部屋ってのはまずいだろ……」
〈確かに未来じゃあるまいし……〉
「そぉいうこと言うなら、土方さんの部屋でどぉですか?」
〈沖田さん、何考えてるのよ!!〉
「何でそぉなるんだよ」
〈うん、土方さんが正しい〉
「私がいい方法を見つけました」
沖田と土方が言い争ってた間も山南は考えていたらしい。
「あくまでも、一つの案としてなんだけどね」
山南の考えは、燐と誰かを相部屋にするのではなくて
今いる隊士達の誰かが相部屋になり、燐を一人部屋に
するというものだった。
「山南さん、それは流石に皆さんに悪いですよ」
〈なんて言いながら、少しホッとしてる〉
「ですがやはり、女性が男と相部屋なんてまずいと思います」
〈二人共、私の心配してくれてるんだよね…… 優しいなぁ〉
「燐が悪いなんて思わなくていいんじゃないか」
今の今まで口を挟まなかった斎藤が言った。
「斎藤さん……」
つい敬語っぽくなりがちである。
「一でいい」
口数の少ない斎藤はそれだけ言うとまた黙ってしまった。
「分かった、一君って呼ぶね」
燐のその言葉に斎藤はただ頷くだけだった。
「そぉですよ、貴女が悪いなんて思わなくていいんです」
〈やっぱり、皆、優しいなぁ〉
「ありがとうございます」
〈今日何度目のお礼の言葉だろう?〉
「問題は誰と誰が相部屋するかですね……」
「そぉだな……」
〈山南さんと土方さんが私の為に考えてくれてる〉
「なぁ燐」
ボーと土方達二人を眺めていたら平助が話し掛けて来た。
「何? 藤堂さん」
「もぉ、平助でいいってば」
さん付けが癖になってるらしい。
「あっ、ごめん……つい」
慌てて平助に謝った。
「大丈夫だ」
〈はぁ〜皆優しいのに死んじゃうなんて嫌だなぁ〉
そんなことを思った燐。
「ところで、山崎さん達は何時までそこに居るんですか?」
天井に向かって話しかけた。
「ぇ!? 山崎さん達居るの!?」
「うん、視線を感じたから」
お前すげぇなと原田が感心した様に言った。
「そこから降りて来てくれませんか?」
「まぁ、気付かれてるんやったらしゃーないな」
天井から見事に着地した山崎。
しかし、島田は降りて来てくれなかった。
「島田はん、どぉしたんやろか?」
山崎が島田に問い掛けるが一向に降りて来る気配はない。
「島田の奴、本当にどぉしたんだ?」
眉間にシワを寄せながら土方が言う。
「燐に見抜かれて落ち込んでるのかもよ?」
と新八が言った。
「島田はん、燐は特別なんやから
そないに落ち込まなくてもええかと思うで」
「山崎さんは、私の話し信じてくれるんですか?」
「"烝"でええよ」
いつの間にか、山崎までも燐と仲良くなっている。
「ぉぃ、いい加減降りてこい」
土方に言われ、しぶしぶ降りて来た島田であった。
「改めて、守山燐です、烝君、島田さん
これから宜しくお願いしますね」
「こっちこそ宜しく」
〈島田さんは返事してくれないか……〉
「はい」
「敬語はなしや」
「ぁはは、分かった、てか平助、ごめん!!
何か言おうとしてたよね?」
〈すっかり忘れてた〉
「ぅん、燐の家族が心配してるんじゃないかと思ってさ」
「あぁ、それね……」
燐は言葉を濁した。
「何時か話すからそれまで待っててくれる?」
「分かった」
「だから、今はそいつの部屋決めてた途中だろ」
〈土方さんは本当ツッコミ役が合ってるよね〉
「そぉでしたね」
結果から言えば、沖田と斎藤が同室になり
斎藤が使ってた部屋を燐が使うことになった。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。