少し恥ずかしがる素振りを見せながら、
椅子から立ち上がり、
優しくティーカップに綺麗な色をした紅茶が淹れられる。
名前を聞いてなかった。
そう思うと、頭の中に入っている記憶を辿ったのか、
名前がポツンと出てくる。
ベリアンさんは紅茶を淹れた後、
すぐに私の前で片足を付けた。
ベリアンさんの口の近くで人差し指を立てる。
先程手当したばかりの絆創膏だらけの手を軽く握る。
優しく笑うベリアンさん。
かっこいい、よりかは美人と言いたい。
美形なのだから、笑っていた方が綺麗で、可愛らしいのだ。
生ぬるくなった紅茶を一口、喉に通す。
優しく、喉ごしが良い。飲みやすい。
そういえば妹の推しは…、アモンさん…?だったか?
庭があって〜とか勝手に話してたな。
コツコツと部屋から出ると、
向かいには大きな食堂が廊下を挟んで見えた。
開けてあり、黒と白の鍵盤が綺麗にされているのがわかる。
少し力を加えて押すと、ポーンと綺麗な音が流れた。
執事全員で食ったら美味しく食べれそーなのになぁ…、












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。