この高校に来た経緯を、軽く説明し終えたわたしは、キヨくんに対しそう質問を投げかけた。
すると、キヨくんは軽く目を伏せて口を開く。
ふ〜ん、様子見っていうか、干渉しない、って感じかな。
ちょっと残念。
でもまぁ、ずっと静観出来る程退屈そうな学校でもないし、心配しなくても、キヨくんなら何かしら行動するよね。
その時に最大限サポート出来るよう、こっちも準備しておこっと。
そんなことを考えていると、キヨくんが口を開いた。
特に何かしたいっていうのは、まだ決めてないけど─────────。
交友関係は広げておくに越したことはないからね。
面白そうな子もいたし、他クラスの情報は持っておいて損は無い。
わたしがそう聞くと、最初は不思議そうな顔をするも、少し考えるように顎に手を当て、口を開いた。
その返答に、わたしはくすっと笑みを浮かべ、だよね、と相槌を打った。
いくら国の運営する高校と言っても、生徒1人に月10万は考えられない。
将来、何の利益も見込めない生徒に、3年間毎月10万もお金を与えるなんて、無駄でしかないだろう。
そんなことにお金を使うぐらいなら、見込みのある生徒に倍の金額を支給した方がまだ利益に繋がる。
わたしがそう言うと、数秒後、キヨくんは納得した様子で、ゆっくりと口を開く。
わたしはその言葉に、にっこりと笑みを浮かべ、何もかも把握しているように頷いた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!