緑谷くんの謹慎が終わった。
私はというと特に変わらない日々を過ごしている。
傑や弔からの連絡は全くない。
クラスメイトとも挨拶や授業後に少し話すくらいならするようになった。
嫌悪しかしていなかった私からしたら大きな一歩だ。
ただ、私はものすごく困っていることがある。
やたらと私の後ろをついてまわる、大型犬のようなこいつ。断ると子犬のような目でこちらを見てくるためタチが悪い。
デクくんとは話してたっけ?と思い出すような素振りを見せる麗日さん
まあ兄弟ですからとはいえず私はチラッと焦凍を見る。
どうやらもう一緒に行くことは決まっているらしい。
驚いて後ろを見るとさっき話に出てきていた緑谷くんが後ろにいた。
びっくりした……
何かと思えばその話か…
二日前くらいにそんな約束をした気がしなくもないな。
ひとまず3人で教室まで向かい、緑谷くんに勉強を教える。
危ない、緑谷くんが止めてなかったら私焦凍のこと殴ってた……
そういえばこいつはそういう子だった。
何でもかんでもなんでなんでって…私だって知りたいわって思ってたな。
焦凍も、思い出してたんだ。
嬉しいような、悲しいような、複雑な感情が入り乱れる。
そして今日も、
変わらない日々が始まるのだと思っていた。
思っていたんだ、けど……
いん、たーん?
私は思わず口角が上がるのを辞められなかった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。