第51話

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2026/02/22 00:51 更新
緑谷くんの謹慎が終わった。


私はというと特に変わらない日々を過ごしている。
傑や弔からの連絡は全くない。
麗日
おはよう、夏油さん!
あなた
おはよう、麗日さん

クラスメイトとも挨拶や授業後に少し話すくらいならするようになった。


嫌悪しかしていなかった私からしたら大きな一歩だ。

ただ、私はものすごく困っていることがある。
焦凍
おはよう、あなたの下の名前
あなた
……おはよ、焦凍
焦凍
朝ご飯はまだか?もし、もう食べたなら一緒に教室まで行こう
あなた
いや、一人で行けます……うっ、またその顔…

やたらと私の後ろをついてまわる、大型犬のようなこいつ。断ると子犬のような目でこちらを見てくるためタチが悪い。
麗日
ほんま仲良いね…轟くんも夏油さんみたいに全然人と話さなかったんよ?

デクくんとは話してたっけ?と思い出すような素振りを見せる麗日さん
麗日
そう考えたら2人ともどこか似てるのかもやねw
あなた
はあ、

まあ兄弟ですからとはいえず私はチラッと焦凍を見る。


どうやらもう一緒に行くことは決まっているらしい。
緑谷
僕も一緒にいいかな
あなた
え、

驚いて後ろを見るとさっき話に出てきていた緑谷くんが後ろにいた。


びっくりした……
緑谷
夏油さんに教えて欲しいところがあるんだ
教室で教えてくれないかな
あなた
あー、そういう…いいですよ

何かと思えばその話か…



二日前くらいにそんな約束をした気がしなくもないな。

ひとまず3人で教室まで向かい、緑谷くんに勉強を教える。
焦凍
…すごいな、なんでわかるんだ?
あなた
問題を解いてるからです
焦凍
じゃあ、なんで解けるんだ?
あなた
公式を使うからです
焦凍
なんでその公式を使うってわかるんだ?
あなた
問題文からどの公式を使えばいいか読み取るからです
焦凍
なんで
緑谷
轟くんストープッ!!!!!

危ない、緑谷くんが止めてなかったら私焦凍のこと殴ってた……


そういえばこいつはそういう子だった。
何でもかんでもなんでなんでって…私だって知りたいわって思ってたな。
緑谷
そんな質問攻めにしたら夏油さんびっくりしちゃうから!!ね!?
焦凍
すまねぇ、姉さんにもよく質問攻めにして怒られてたんだ
焦凍
でも最後にはちゃんと答え教えてくれるからつい…
あなた
……別にいいですよ、気にしてないし

焦凍も、思い出してたんだ。


嬉しいような、悲しいような、複雑な感情が入り乱れる。


そして今日も、
変わらない日々が始まるのだと思っていた。

思っていたんだ、けど……
相澤
じゃ緑谷も戻ったところで本格的にインターンの話をしていこう
相澤
入っておいで
緑谷
ん?

いん、たーん?
相澤
職場体験とどういう違いがあるのか、直に経験している人間から話してもらう
相澤
多忙な中都合を合わせてくれたんだ、心して聞くように
相澤
現雄英生の中でもトップに君臨する3年生3名、通称ビッグ3の皆だ
あなた
……へー、普通の授業より面白そう

私は思わず口角が上がるのを辞められなかった。

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