第47話

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2026/02/16 23:10 更新

数日前から寮生活をしている私は他の子達同様、寮へと戻る。

そして自室に入る前にチラリと携帯を確認した。



……連絡は、なしか


思わずため息がもれる。
麗日
夏油さん?部屋入らへんの?
あなた
え?

いつからいたんだろうか。

この人は麗日お茶子さん。緑谷出久と同じようにお節介を焼いてくれるタイプの個性持ちだ。
あなた
入ります、ちょっと鍵を探してて
麗日
そうなんや…って、そのキーホルダー…

今度は私の手元にある鍵につけているキーホルダーを指さし始める。


……あ、
麗日
それ、エンデヴァーが考案した商品やんね
あなた
……え、

何、それ…


知らない情報に私は思わずキーホルダーに視線を移す。
麗日
轟くんが持ってるキーホルダーがあるんやけど、そのキーホルダーをリメイクしたのがそれらしいよ
麗日
轟くんもなんであんな女の子もんのキーホルダー持ってるんか気になってたけど、お父さんのなら納得だよね
焦凍
何の話だ?
麗日
あ、轟くん

私は思わず焦凍を見るとその人は何故か少し驚いたあと、恥ずかしそうに視線を下げた。
麗日
轟くんが持ってるキーホルダーの話してたんよ

焦凍はこれか?と私たち二人にそれを見せてくれる。
あなた
……

それ、
焦凍
亡くなった姉さんのなんだ
俺が誕生日プレゼントであげたやつ
焦凍
失踪した時にこれだけが路地で見つかった

ジッとそれを見る麗日さん。


私は思わずそのキーホルダーから無理やり視線を逸らした。
焦凍
父さんがこのキーホルダーのリメイクを作るって言った時は頭がおかしくなったんだと思ってたが…
焦凍
姉さんはこのキーホルダー気に入ってくれれたから
焦凍
あいつなりの愛情表現だったのかもしれねぇって最近思う

何、それ…
あなた
…ごめんなさい、私先に中に入ります
焦凍
え?あぁ、ありがとうな夏油
あなた
え、いや、何もしてないですけど
焦凍
いや、嬉しかった
これからもあんなふうに指導してくれ、話す時だってもっとフランクでもいいんじゃないか?
あなた
は、はぁ

こんなに口数の多い人だっただろうか。


でもどこかホッする気がする。
昔に、戻ったようで
隣に君がいるのが嬉しく感じてしまう。
焦凍
おやすみ、夏油
あなた
……うん、おやすみ

バタンと扉が閉まり、真っ暗な部屋が視界に入る。


やだ……、
あなた
止まってよ…、バカ……っ

目から出る水はきっと、


個性が制御できてないせいだ。



そう思うことにした。

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