第10話

後日談 【別れと哀しみ】
172
2025/03/11 10:00 更新
中島敦
おはようございます
いつも通り敦が出勤すると、今日非番のはずの人たちも、いつもサボってばかりの太宰も出勤し、皆が揃っていた
しかもみながみな、暗い表情し机の上を見下ろしていた
中島敦
あの…何かあったんですか?
泉鏡花
敦…
敦の問いに弱々しく、泣きそうな顔で鏡花が机の上を指さす

そこには、廃墟の近くに生えていたシオンという花やかすみ草が置いてあった
中島敦
……!あの…これはっ
江戸川乱歩
ハクが置いていったものだよ
乱歩はいつものテンションは何処へやったのかと聞きたいほど神妙な面持ちでそう云った
中島敦
…っ、
シオンやかすみ草の花言葉を考えるとあの子は…もう、、 

乱歩さんからあの子の寿命が残り僅かであることは告げられていた
けど、いざ目のあたりにすると涙が止まらなかった
ナオミ
わたくし、もっとハクさんと話したかったですわ…
与謝野晶子
アタシもだよ。あの子は人間らしいところがあったからね…
泉鏡花
……生き物はいつかは死ぬ
泉鏡花
だけど…っこんなに早く居なくなるなんてっ
ナオミは声を震わし、与謝野もいつもよりテンションが低く、鏡花は何処か冷静そうに、だけど啜り泣いている声が隠せてない
国木田独歩
だからあれほど体調に気をつけろと云ったのに…
国木田も口ではそんな事を云っているが声が震えている
谷崎潤一郎
……っ
谷崎は何かを耐えるようにぐっと堪えていた
福沢諭吉
……
探偵社の人たちの中でも飛び抜けハクのことを可愛がっていた社長は憂いのある顔をしそっと目を閉じた
宮沢賢治
…ハクさん。苦しまずに逝けたでしょうか
太宰治
逝けたよ。大丈夫
賢治の問いに答えた太宰は悲しそうな顔をしてはいるものの何処か清々しかった
宮沢賢治
なら良かったと思います…
太宰治
…そうだね





その後、探偵社の人たちの必死の捜索で見つかったハクの遺体はとても幸せそうな顔をしていたという

































かすみ草の花言葉……「幸福」「感謝」「親切」
シオンの花言葉……「思い出」「別れの悲しみ」
『今昔物語』では、シオンは「お墓の横」に植えられるとされていて又、シオンの花言葉には「追憶」という言葉がある為死を連想させる花とも言われているそうです。

プリ小説オーディオドラマ