朝、リビングに入ると、
じゅのんがすでに朝ごはんを食べていた。
思わず声が少し高くなる。
じゅのんは箸を止めて、ちらりとこちらを見た。
返事は普通だけど、声のトーンが少し低く感じる。
胸の奥がもぞもぞする。
咄嗟に聞いてしまった言葉に、自分でも驚く。
じゅのんは一瞬目を細めて、箸を動かす手を止めた。
淡々と答えるけど、
少しだけ視線が私に向いている気がする。
私は小さく返す。
視線をそらしながら、胸の奥がざわつくのを感じた。
沈黙が続く。
でも、お互いが少し意識している空気が伝わる。
思わず口を開く。
じゅのんは箸を置き、少し考えた後に答える。
表情は変わらないけど、
声の端にほんの少しだけ柔らかさがある。
私は小さくうなずく。
でも、胸の奥は相変わらずざわざわする。
箸を動かす手が少し震えた気がして、
じゅのんも気づいただろうか。
思わず聞いてしまう自分に、赤面しそうになる。
淡々と答えるその声に、胸がぎゅっとなる。
兄だから、普通に振る舞ってくれてるだけなのに。
でも、どうしてこんなに意識してしまうんだろう。
最後にお互いが視線を合わせる。
じゅのんが小さく言う。
ぎこちなく返事をして、私は手を振る。
外から見たら、何でもない朝。
でも、私の胸の奥では、
確かに昨日よりも少しだけ距離が縮まった感覚が
残っていた。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。