第61話

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2026/02/23 10:00 更新







朝、リビングに入ると、






じゅのんがすでに朝ごはんを食べていた。







あなた
おはよう






思わず声が少し高くなる。







じゅのんは箸を止めて、ちらりとこちらを見た。




じゅのん
……おはよう







返事は普通だけど、声のトーンが少し低く感じる。








胸の奥がもぞもぞする。








あなた
(なんで朝からこんなに緊張するんだろう。)








あなた
今日は、何食べるの?








咄嗟に聞いてしまった言葉に、自分でも驚く。








じゅのんは一瞬目を細めて、箸を動かす手を止めた。







じゅのん
パン……いつも通り







淡々と答えるけど、






少しだけ視線が私に向いている気がする。






あなた
そっか……
 






私は小さく返す。








視線をそらしながら、胸の奥がざわつくのを感じた。








沈黙が続く。







でも、お互いが少し意識している空気が伝わる。








あなた
……昨日の勉強会、どうだった?







思わず口を開く。









じゅのんは箸を置き、少し考えた後に答える。








じゅのん
普通……まあ、問題は解けたし








表情は変わらないけど、







声の端にほんの少しだけ柔らかさがある。







あなた
ふーん……そうなんだ







私は小さくうなずく。










でも、胸の奥は相変わらずざわざわする。










箸を動かす手が少し震えた気がして、









じゅのんも気づいただろうか。










あなた
…あ、手、冷たい?









思わず聞いてしまう自分に、赤面しそうになる。








じゅのん
いや、大丈夫
 





淡々と答えるその声に、胸がぎゅっとなる。









兄だから、普通に振る舞ってくれてるだけなのに。










でも、どうしてこんなに意識してしまうんだろう。








最後にお互いが視線を合わせる。







じゅのん
じゃあ、先に行くね






じゅのんが小さく言う。





あなた
うん、行ってらっしゃい







ぎこちなく返事をして、私は手を振る。










外から見たら、何でもない朝。










でも、私の胸の奥では、










確かに昨日よりも少しだけ距離が縮まった感覚が









残っていた。











あなた
(やっぱり、この気まずさも、ちょっとドキドキする。)





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