俺は、強くなるためには、香菜より強い、こいつを倒さなければならない。絶対に負けられない。いや、負けてはいけない。強くなるために。大事なものを護るために。
バキン
弾かれた!?だが、あいつ、一降りもしていなかったぞ。
一斉にかかる。
触手がバラバラになった。くそっ。勝てる見込みがねぇじゃねぇか。
少し、はぇ~が、使わないとここで負ける。さぁ、香菜の師匠さんよ。俺の憎しみの力に怖じけつけ!!
俺は、後ろに回り込んだ。
バキン
また、剣で······。
俺は、なんとか回避した。だが、全く傷一つさえ入れられてない。
滝を斬った。まじかよ。あんなのも、斬れんのかよ。だが、これはどうかな?
かわされたか······。俺の攻撃をかわすとは······さすがだな。だがな。俺の憎しみは、完全にMAXになったぜ~。
俺の憎しみの力は、相手が攻撃を防ぐか······避けるに伴い、増幅する。つまり、時間を稼げば、俺の勝ちだ。そして、憎しみの力を得た俺は、新たな力へと変化する。
憎き魂······これは、香菜も知らない俺の能力の一つだ。攻撃力と速度は、段違いに凄まじいが、耐久力がない。きっと、かすっただけでも重傷だろう。だがな、お前には負けられないんだよ。さぁ、憎き戦い方をみやがれ。
バキン
まじかよ。これも効かないのか······。
全てを見据える!?つまり、俺の攻撃も全て分かっていながら、回避していたのか······。くそっ。
俺は、倒れた。くっ、くそっ。······こんなところで負けるわけには、いかない。立て、立て、俺の体。
俺は、なんとか、立つことができた。
俺は、回復した。
バキン
俺の攻撃が、防がれた。いや、正確には俺の分身の攻撃だかな。ぶっ飛べ。
俺の分身が爆発し、師匠がぶっ飛んだ。
師匠がぶっ飛んだ先に俺がいた。これで、決める。最高のチャンスを無駄にするな。
バキンバキン
俺は、師匠とすれ違った。師匠に傷をつけることができた。だが、俺は倒れた。単純に力を使いすぎた。
香菜が近寄ってきた。何を言っているのかも、分からない。意識が遠のいていく。俺の本気が、通用しなかった。さ、さすが、香菜の師匠だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。