第6話

” 転 入 生 の 鋭 い 勘 ”
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2021/10/02 01:17 更新





私の隣に立った彼は、涼んだ声で挨拶をする。









水野 海
水野 海
水野海です 。
少しの間ですが、宜しくお願いします 。










”少しの間”…か 、 また転校したりするのかな?









そんな、くだらないことを考えながら、拍手の音を聞きながら、指定された1番後ろの席に着く。










ボールルームが終わると、私の机には女子が、水野さんのところには男子が、集まってきた。









麗日お茶子
麗日お茶子
なぁなぁ!あなたちゃんって、どんな個性なの~?
(なまえ)
あなた
個性はダンスで、舞うように軽やかに攻撃するような感じですよ 。










これもまた、”いい印象”を築くための偽りの笑みを見せた。









八百万百
八百万百
とても素敵な個性ですわね!どのような個性なのか実際に見てみたいですわ!










あっ、プリっとしてる…、なんか可愛い。









そんなこんなで、クラスの人達とまぁまぁ仲良くなったところで予鈴がなった。









すると、席に着いていない人達は、一斉にバタバタと席につきだす。










すると、私の隣の席の水野さんが、私に小さな紙を机の上に置いてきた。










小さく畳まれた紙を開き、書かれていたことに私は動揺し、驚きを隠せなかった。










『君の笑顔って、作ってるよね?
印象を良くさせようと』










っと、書かれていた。










『どうしてそう思うの?』と彼の書いた文字の下に返事を書いた。









それを水野さんの机に置く。









このやり取りを見ているものは誰も居ないようだ。









すると、直ぐに返事が帰ってきた。









私の文字の下に、さっきの文字よりも少し大きな字で『俺の勘!!俺って、昔から勘が鋭いらしくてさ!』と書かれていた。









らしい…って、自分じゃ分からないって事ね。









一瞬、驚いたけど、個性じゃないってわかった瞬間ホットし、
『そうなのね。でも、作ってはいないわよ。』と、返事を書いて彼の机に置いた。









すると、それを見た水野さんは「りょーかいっ!」っと私に向けて小さな声で言ってきた。










(なまえ)
あなた
(なんか…、水野さんに余計に関わったら危険そう…。あんまり関わらないようにしないと…!。)











授業が終わり、クラスの女子達が昼食を一緒に食べようと誘ってくれた。この子達は、一緒にいても大丈夫…かな?









彼女達に連れられるがままに、食堂へ行くと、









初めて見る光景に胸が踊った。









彼女達と席に座ると、その席の隣には同じクラスの男子が座っていた。









麗日お茶子
麗日お茶子
おぉ!出久くん達の隣やん!なら、皆んなで食べよ〜!










麗日さんが髪がもさっとした人に話しかける。校門で見た人…、”出久くん”っていう人だったんだ…。








緑谷出久
緑谷出久
うん!轟君と飯田くんはどう?
轟焦凍
轟焦凍
構わないが。
飯田天哉
飯田天哉
転入生との交流を深めるのにもいい機会だからな!










っとまぁこんな感じで昼食は大人数で食べた。









食べながら雑談している時も、作り笑いでこの場にいる。










でも、面白い時とかは作り笑いではなく普通に笑う。









まだ来たばかりだけど”楽しい”と思ってしまう。









でも、私は”スパイ”として通ってるだけだし、いつかは正体がバレる。









だから、友達なんて…ましてや恋人なんか、いても無駄なだけ。









でも、笑っていられるこの場は、あってもいい…よね?









そんなことを考えながら、フッと笑みがこぼれた。









それを見たクラスの女子達が私を見て、固まっている。









「どうしたの?」とおずおずと聞くと









麗日お茶子
麗日お茶子
あなたちゃん…、可愛すぎや〜っ!!
芦戸三奈
芦戸三奈
可愛いすぎる〜っ!!
(なまえ)
あなた
え…っ?!










何故自分が「可愛い」と言われるのか良く分からなかったけど、とても胸が暖かくなった。



















昼食を食べ終わり、私達は教室へ戻ることになった。









私は、何かあった時用の為に、ポケットに入れていたとても小さい盗聴器のスイッチをOFFからONに切り替え、傍にあった植木に取り付けた。










ホコリぐらいの大きさで簡単には外れない盗聴器。











外す時は特殊なコンタクトと手袋を装着して取るから心配ないだろう。









私は皆んなの後を追って、食堂から離れた。









ここまでの出来事をある人からずっと見られていたのは知らずに。











水野 海
水野 海
…。

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