今日は8月29日。夏の強い日差しがカーテンの隙間からさしている。
今、僕らは陽夏の家にいる。
まず、自由研究に必要不可欠なのは「取材」だ。
しかし、僕のホームヘルパーに聞いても「分からない」というから、そもそも知っている人が少ないんじゃないか?と言う疑問も抱くようになった。
なので、話し合いで「取材の時間を多くとって情報を集めよう」と言うことになった。
取材に使える期間は「2日間」。だから、ポスターにまとめる日は8月31日になった。
まだ何もしていないのに浮かれている陽夏に永遠は、
そういうと陽夏は壁に貼ってあったポスターを強引に剥がして真桜たちに見せてきた。
そう言った瞬間、3人のお腹がグルル…と鳴った。
永遠が陽夏の部屋のドアを閉める。
そして午後2時35分、暑い日差しの中、真桜と永遠は〇〇公園の日陰のところで陽夏を待っていた。
午後1時半ごろ。僕らは商店街を歩いていた。
今日も空は青くくすんでいた。
陽夏はすっかり乗り気でいる。
その店はすっかり古ぼけてさびついた小さなお店だった
その店の看板には読めなくも無いような字で「雑貨屋」と書いてあった。
その時急に店のドアがキィーっと音を鳴らしながら開いた。
真桜は小声で
お店の中に入ると、ボロボロとした外見とは裏腹に内装はとてもおしゃれなものになっていた。木目基調の天井や床、上を見上げるとシャンデリア。そしてとてもカジュアルなモダンな商品がちょこんと置かれている。
永遠は一通り商品を見ていたが、ある一つの商品に目がいった。
二人は小走りで永遠のところに近づいた。
そう言って永遠は目の前にあるマグカップを指差した。
何かに気付いたのか真桜はバッグの中からこの前買ったコップを取り出した。
そういうと僕たち3人はまた目の前にあるマグカップをまじまじと見つめる。
続く。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。